BMWの新型「i3」はここまで進化を遂げた 「740」シリーズのPHVにも乗ってみた
エンジン車の「740i」の動力性能は最高出力326ps(馬力)/450Nmを誇る快速サルーンである。これに対して、「740Le xDirive」に積まれるエンジンの排気量は2Lに過ぎないが、最大出力285ps/400Nmと、BMWの2L4気筒エンジンでは最強かつ最高回転数を誇る。
これに、83kW/250Nmの高出力モーターとステップトロニック内蔵の8速ATが加わることで、0-100k/h加速は5.3秒(「740e」は5.4秒、「740Le」は5.5秒)と、このクラスのセダンとしてはスポーティな性能を発揮する。一方で、CO2排出量は49g/km(「740e」「740Le」は45g/km)と、2020年に予定されているEU委員会のCO2削減目標である99g/kmを優にクリアする。
アプリも充実
BMWの電気駆動シリーズで興味をひかれるのは、アプリが充実している点だ。iシリーズには専用アプリがあり、スマホだけではなく、スマートウォッチでも充電状況などを知ることができる。「BMW コネクテッドサービス」と銘打って、カーシェア、アプリ、独自充電網などの提供といったEモビリティ向けのサービスを包括的に提供している。
iパフォーマンスの「iドライブ・コントローラー」では、アプリを落としたスマホによる遠隔が可能で、乗る時間にあわせて車内の温度調整などもできる。エアコンに電池を食われて走行距離が短くなることを避けられるし、電動なのでガレージ内で排ガスが出る心配もない。さらに、「360°electric」なるサービスも特徴的だ。これは、BMWが各地の充電網と契約することで、ユーザーが個別に契約する必要なしに充電網を利用できる仕組みだ。
長らくエンジンの魅力を押し出してきたBMWだが、その一方でBMWは、クルマにこだわらずに、航空機やモーターサイクルと、新しいモビリティのあり方を模索してきた企業でもある。PHVモデルである「iパフォーマンス」のラインナップの充実は、それだけ見ると、他社のエコカー戦略とそう大きな違いはないように感じるが、周辺の技術やサービスまで視野を広げると、BMWらしいモビリティの提供の戦略が見えてくる。
正直なところ、エンジン車と比べると、まだ使い勝手がいまひとつなEVやPHVにおいて、包括契約による充電網の提供やコネクティビティを活用した情報提供、遠隔操作などの周辺技術も含めたサービスを提供することで、ユーザーはCO2排出量を削減しつつも、自由な移動が可能になる。その点では、新型「i3」も、「740e iパフォーマンス」も、ごくBMWらしいクルマといえる。
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