家計のインフレ期待は高まっているのか? 景気・経済観測(日本)

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それでは、足元の消費者物価が小幅な下落を続けているにもかかわらず、家計のインフレ期待が高まっていることを、どのように考えたらよいのだろうか。政府、日銀がデフレ脱却に向けて金融緩和を一段と強化する姿勢を明確に打ち出していることが、家計のインフレ期待につながっている面も否定できない。

購入頻度の高い品目の物価上昇が強く意識されている

しかし、より大きいのは消費者が購入する機会が多い品目の物価が上がっていることだろう。消費者物価指数を品目の年間購入頻度別に見ると、年間9回以上購入する品目の上昇率がプラスとなっている一方、購入頻度が年間0.5回未満の品目は1%を超える下落が続いている(図)。

前者の代表的な品目としては食料品、電気代、ガソリン等、後者の代表的な品目としては、パソコン、カメラ、電気冷蔵庫などの家電製品が挙げられる。

購入頻度の高い品目の価格が上昇すると全体の物価が上がっていなくても、消費者は物価上昇を強く意識することになる。逆に、カメラ、パソコンなどは価格の下落率が非常に大きいが、購入する機会が非常に少ないため、消費者は物価下落を実感しにくい。

また、消費者物価指数では、価格が変わらなくても品質が向上した分は物価が下がっているととらえるが、品質向上による物価下落を正確に認識している消費者はむしろ少ないかもしれない。

原油価格の高止まりや円安の進行を反映しガソリン価格が大幅に上昇するなど、購入頻度の高い品目の価格が上がっていることが、家計のインフレ期待の高まりにつながっている可能性が高い。

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