家計のインフレ期待は高まっているのか? 景気・経済観測(日本)
このように、ここにきて家計のインフレ期待が高まっているように見えるのは、将来の物価上昇を予想しているというよりは、足元の物価動向、とりわけ身近なものの価格が上昇している影響が大きい。
インフレ期待に過度の期待は禁物
3月20日に就任した岩田規久男日銀副総裁は、期待インフレ率が上昇すれば実際の物価も上昇すると強く主張しているが、こうした考え方は楽観的すぎるように思われる。
デフレ脱却が実現するとすれば、現実の物価上昇率が高まることによって家計のインフレ期待が定着し、このことが先行きの安定的な物価上昇にもつながるという形になるのではないか。インフレ期待への期待が大きすぎると、実際の物価上昇率が高まらなかった場合の失望も大きくなることが懸念される。
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