家計のインフレ期待は高まっているのか? 景気・経済観測(日本)

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このように、ここにきて家計のインフレ期待が高まっているように見えるのは、将来の物価上昇を予想しているというよりは、足元の物価動向、とりわけ身近なものの価格が上昇している影響が大きい。

インフレ期待に過度の期待は禁物

3月20日に就任した岩田規久男日銀副総裁は、期待インフレ率が上昇すれば実際の物価も上昇すると強く主張しているが、こうした考え方は楽観的すぎるように思われる。

デフレ脱却が実現するとすれば、現実の物価上昇率が高まることによって家計のインフレ期待が定着し、このことが先行きの安定的な物価上昇にもつながるという形になるのではないか。インフレ期待への期待が大きすぎると、実際の物価上昇率が高まらなかった場合の失望も大きくなることが懸念される。

斎藤 太郎 ニッセイ基礎研究所 経済調査部長

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さいとう たろう / Taro Saito

1992年京都大学教育学部卒、日本生命保険相互会社入社、96年からニッセイ基礎研究所、2019年より現職、専門は日本経済予測。日本経済研究センターが実施している「ESPフォーキャスト調査」では2020年を含め過去8回、予測的中率の高い優秀フォーキャスターに選ばれている。また、特に労働市場の分析には力を入れており、定評がある。

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