家計のインフレ期待は高まっているのか? 景気・経済観測(日本)

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その結果、2012年12月の1.5%から2013年1月が1.6%、2月が1.8%へと上昇しているが、これも2004年4月以降の平均である1.4%を少し上回る程度である。

家計の期待インフレ率と実際の物価上昇率は、平均で1.5%程度の乖離があり、この点を考慮すれば足元の期待インフレ率は0.3%程度にすぎない、と読み替えることもできる(右図)。

足元の物価動向に左右される、家計の期待インフレ率

家計のインフレ期待が必ずしも先行きの物価動向を予想しているとは言い切れないことにも注意が必要だ。家計の期待インフレ率と実績値の時差相関をとってみると、相関係数が最も高いのは総合で0カ月、生鮮食品を除く総合で1カ月となる。いずれも半年を過ぎると相関係数が0.5を下回り、1年後にはほとんど相関がなくなる(下図)。

家計の期待インフレ率は実際の物価上昇率に先行しているというよりは、一致した動きとなっているとみるのが適当だ。消費動向調査では1年後の物価見通しが調査されているが、実際の消費者の判断は足元の物価動向に、大きく左右されていると考えられる。

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