――1人を雇うということは、その家族まで雇うようなものなのですね。
ゴンザレスさん:日本人が知っておかなければいけないことは、メキシコのさまざまな行事は会社が主体になって会社で祝い、家族を巻き込むということです。例えば誕生日。一人ひとりの誕生日を覚えていて、ケーキを用意したり、サプライズの企画をして会社でお祝いします。
――社員全員の誕生日を祝うとなると、大きい会社では毎日のように誕生日ですね。
大野さん:そうなのです。日本の企業ではそういう雰囲気がないので、人事担当の方が意識して、誕生日を覚えておけるようなシステムを作ったほうがいいかもしれないですね。祝うのが当たり前ですから。
カメタ:時間はとってしまうし、結構頻繁にあるので「また!?」と思いますが、社員が団結するために必要なことなのです。
ゴンザレスさん:そして、7月の第3水曜日は「秘書の日」です。
カメタさん:これは重要ですよ!忘れると大変です。名前のとおり、秘書の人にチョコレートをあげたり、食事に一緒に行ったり、お花をあげたり、午後はお休みにしてあげたりします。
ゴンザレスさん:11月1日と2日は死者の魂に祈りを捧げる「死者の日」で休日です。このお祝いは、世界無形文化遺産にも登録されています。この日の前には会社が社員にパンを買ってお祝いします。
12月にはクリスマスを祝うために、会社がPosadas (ポサーダス)やクリスマスパーティーを行います。パーティーはお菓子を中にいれた”くす玉”を割るピニャータなど、楽しいことがいっぱいです。
1月6日は”Rosca de Reyes(ロスカ・デ・レジェス)”という三賢人の日を祝う日なので、会社は社員のために特別なパンを買います。
カメタさん:パンの中にはNino Jesus(ニニョ ヘスース)という、小さな赤ちゃんの人形がいくつか入っています。それが当たった人たちは、2月にメキシコ料理のTamales(タマレス)というトウモロコシの粉の蒸しケーキやホットチョコレートを持ってきて、みんなで食べるのです。
――すごいですね。会社でお祝いをして、パンを食べることが多いのですね……。社員の誕生日も含めるとかなり頻繁にお祝いをしていますが、仕事に支障はないですか?
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