「君の名は。」が1分たりとも退屈させない秘密 新鋭アニメ監督・新海誠が語る作品の手応え

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――長編は3本目となりますが、短編と比べてやりやすさはどうですか?

よく「短編と長編を交互にやっているんですか?」と聞かれるのですが、今まではたしかにそうだったかもしれません。長編をコントロールしようとやってみて、うまくいかずに課題が残ったので、「次は短編をやってみよう」ということをやってきましたが、今回の長編に関してはコントロールしきれなかったという後悔は一切ありません。

日本の昔話はいろなヒントに満ちている

風景の美しい描写も新海誠監督作品の魅力のひとつ  ©2016「君の名は。」製作委員会

――次回作は短編ですか。

CM映像も含めて、やらなきゃいけないものはあります。そういうのをやりながらも、僕自身が、手掛けないといけないのは長編映画を再び作ることだと思っています。観客に「楽しかった」と思ってもらえるような、サービスを尽くした作品をもう1~2本、長い映画を作らなければいけないと、今は思っています。

――大変だったけれども、楽しかった、そしてもう1本やりたいということでしょうか。

そうだと思います。次はもっと驚かせたいというような気持ちもありますし。

――新海さんのイマジネーションの源はどこから来ているんですか。

最近だと日本の昔話とか万葉集、古今和歌集、神話といった作品を読むことが多いですね。日本昔話はいいですよ。一個一個の物語は短いし、100個くらい読むとパターンが見事に分かれているんです。物語の普遍的な形のようなものがそこにある。勧善懲悪ものとか、恩返し系とか、動物と結婚する話とか、ものの由来の話とか。それぞれが面白いんですよ。今回の映画も小野小町の和歌や「とりかへばや物語」がモチーフになったわけですし、本当にいろいろなヒントに満ちているなと思います。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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