東宝、名探偵でも推理できない最高益の行方 気弱な業績予想、今期はどうなるのか
「真実はいつもひとつ」――。人気マンガ「名探偵コナン」の主人公、江戸川コナンが口にする決めぜりふのひとつだ。残念ながら東宝の業績予想は、この冴えた名探偵の推理のようにはいかないようだ。
4月16日に公開された、映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』が記録破りの大ヒットを飛ばしている。公開直後の土日2日間で興行収入12億円に達した。最終興収44億円だった前作と比べてみても初動興収は138%と、このままいけば興収50億円を超える勢いで推移している。
「劇場版20作目となり、毎回期待に応え続けてきた信頼感がこの好調につながっているのではないか」(会社側)と配給元の東宝はいう。
アニメヒットで2期連続最高益
その東宝の業績が絶好調だ。4月14日に発表した前2016年2月期の本決算は、売上高に当たる営業収入が2294億円(前期比10.9%増)、営業利益が407億円(同28.2%増)。当期純利益も258億円と、2期連続で過去最高を更新した。
業績を牽引しているのがもはや定番となったアニメ作品だ。日本映画製作者連盟が公表している2015年の邦画興収ランキングでは、名探偵コナンが4位、ドラえもんが5位、クレヨンしんちゃんが16位にランクインしており、加えて、興収78億円の「妖怪ウォッチ」、同58.5億円の「バケモノの子」というトップ2作品も東宝配給アニメだった。
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