東宝、名探偵でも推理できない最高益の行方 気弱な業績予想、今期はどうなるのか

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昨年は、ここ数年陰りを見せていた洋画が盛り返した年でもあった。夏休み興行で話題の大作が勢ぞろいし、邦画興収が前年比99.7%の1203億円だったのに対し、洋画は前年比112.1%の967億円と前年を上回った。

東宝グループの配給作品では、興収95.3億円で2015年洋画ランキングトップとなった「ジュラシック・ワールド」のほか「ミニオンズ」「ワイルド・スピード SKY MISSION」などが貢献した。他社配給の「ミッション:インポッシブル」「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」などの大ヒットもあり、映画館収入も伸びた。

前期は毎四半期ごとに業績を上方修正

3期連続最高益になるのか。東宝の命運を握る『シン・ゴジラ』は7月29日に公開予定だ (C)2016 TOHO CO.,LTD.

今2017年2月期の業績見通しはどうか。東宝が決算発表と同時に開示した予想は営業収入が2167億円(前期比5.5%減)、営業利益が330億円(同18.9%減)と減収減益の見込みだ。総興収に占める洋画の割合は44.6%と8年連続で邦画を下回っており、「2015年度はたまたまヒット作が相次いだが、今年はそれほどの洋画大作がない」(会社側)としている。

ただ、会社は前2016年2月期の業績についても、当初は減収減益を想定していた。その後、ゴールデンウィークに「映画 ビリギャル」、そのビリギャル越えの大ヒットとなった「orange-オレンジ-」や「HERO」「信長協奏曲」があり、毎四半期ごとに業績を上方修正してきた経緯がある。

今期も冒頭のコナンに加えて、ドラえもんやクレヨンしんちゃんなど、定番アニメシリーズのほか、7月29日には東宝が約12年ぶりに自社製作するゴジラシリーズ「シン・ゴジラ」が公開される。

確かに、映画興行成績はふたを開けてみなければわからない部分は大きい。とはいえ、今度の業績見通しの精度はどの程度なのか。

中原 美絵子 フリーライター

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なかはら みえこ / Mieko Nakahara

金融業界を経て、2003年から2022年3月まで東洋経済新報社の契約記者として『会社四季報』『週刊東洋経済』『東洋経済オンライン』等で執筆、編集。契約記者中は、放送、広告、音楽、スポーツアパレル業界など担当。

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