(第11回)インターンシップQ&A
佐藤孝治
[質問]
もしインターンシップ期間中に失敗すると採用してもらえなさそうだから、第一志望の会社ではインターンシップはやらずに、採用の本番で何とか乗り切る方が得策ではありませんか?
[回答]
そう考える気持ちはわかるが、答えから申し上げると、Noである。もしインターンシップ期間中に何かミスしてしまい、「がんばったけれど、まだまだウチのレベルではないな」という評価を下されたとしよう。それでも、インターンシップを真剣に取り組んでいればその姿勢は人事の目に留まるし、その時点で自分に足りないことをフィードバックしてもらえ、その会社に人脈ができるという大きな収穫があると、ここは前向きに捉えて欲しい。
大切なのは、インターンシップが終わった9月末から、就職活動が始まる4月までの間の6ヶ月に、失敗を逆転勝利のチャンスに変えられるかどうかである。落ち込む前に別のインターンシップを経験したり、本を読んで勉強したり、自分を高める行動を起こして欲しい。そして6ヶ月後の面接で「ご無沙汰しております。夏のインターンシップではAとBとCが足りないことを痛感して、この6ヶ月それぞれにこんな取り組みをしました。まだ求められているレベルではないかもしれませんが、ここまで改善しました。色々と考えてみましたが、やはり御社でこんな仕事をしたいと思っています」と言えたら、それは他の人にはない大きな武器になると思う。夏に足りなかったことを高め、必要なことを補う努力を見せられれば、評価が上がる可能性は高くなる。しかも、インターンシップでダメだった時と、6ヶ月前と今のギャップがあればあるほど、この人は伸びる人材だと思われるだろう。たとえインターンシップ中に失敗しても、それが最終的な評価ではないのだから、反省して成長したことを見せることができれば、それはむしろチャンスだと思えばいいのである。
また、人事にはプロなので人を見る目は確かにあるが、短時間の面接よりインターンシップで日々接する方があなたのことを理解できるはずだ。だから、器用に仕事をこなせなかったとしても、真剣に取り組み、努力する姿勢を見せることができれば、一発勝負の面接よりも絶対に印象に残る。
イメージだけで選んだ第一志望に採用されて、入社してから違うなと感じたらそれこそ悲劇である。第一志望の企業にインターンで働いてみて、どうも違うなと感じたら方向修正することもできる。まず体験することの重要性を強く認識して欲しい。
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