これは、会社の買収や、営業権などを買う際に計上されるものです。合計しますと、約7174億円の支出があるということになります。
同様に、ソフトバンクのほうも見てみますと、「有形及び無形固定資産の取得による支出」は、4550億円計上されています。ただ、ここで注目したいのは、このところソフトバンクは業績を順調に伸ばしていましたから、その分、設備投資を大幅に増やしたということです。前年は2085億円でしたが、今年は倍以上に膨らんでいます。孫正義社長は、東日本大震災後、「1兆円かけて基地局を増設し、インフラを強化する」と発言しましたが、設備投資を増やしているのです。
KDDIも、「有形固定資産の取得による支出」が3188億円、「無形固定資産の取得による支出」は759億円。合計で約4000億円の支出があります。
携帯電話の性能はどんどん向上していきますし、その分、データ通信量も格段に増えていきます。ですから、設備投資を行わなければ、「つながりにくい」という利用者の不満が噴出するのです。この業種は、設備投資という“カネ食い虫”に悩まされる業種だと言えますね。
今後も、特にキャリア3社の間での競争がますます激化していくと思われますが、スマートフォンへの切り替えや、データ通信量が増えていくことから、市場もある程度は拡大していくのではないかと思います。この中で、それぞれのキャリアがどうやって稼いでいくか。ここが焦点となるでしょう。そして、繰り返しになりますが、ソフトバンクについては、スプリント買収の影響がどのように出るかに注意が必要です。
(撮影:尾形 文繁)
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