「褒める仕組み」を作ると人は劇的に伸びる ANAの「グッドジョブ・カード」が凄い
私たちANAビジネスソリューションは研修の打ち合わせで、「社員同士のコミュニケーションが少ない」「社内の雰囲気があまり良くない」といった相談を受けることがあります。
勤続 25年以上のCAで、ANAビジネスソリューションの接遇マナー講師にも、その経験があります。
「研修内容を紹介する中で、ANAグループのグッドジョブ・カードのしくみについて説明すると、『わが社でもぜひ試したい』とのことで、実際に同様のしくみを導入する企業も少なくありません。ところがしばらく経つと、『やってみたけれど集まらなかった。どうすればよいのだろう』とさらに相談を受けるケースが多いのです」
ANAでは、この取り組みを2001年から始めましたが、カードが全社に浸透するまでには5年ほどかかっています。
他人への関心が薄れていないか?
カードが使われないのは、他の人への関心が薄れている証拠。そのようなときは管理職が率先してグッドジョブ・カードを使って部下を褒めます。そうして「関心をもって見てもらえて、褒めてもらえてうれしい」と実感してもらうのです。人は誰かから褒められると、そのうれしさを伝えようと別の誰かを褒めるものです。
もちろん運用しやすいよう、使いやすい、書きやすいデザインに何度も変更しています。また、2014年にはグッドジョブ・カードを贈った人、受け取った人双方にポイントを付与し、貯まったポイントに応じてグレードを認定する制度を導入しました。
大きな成功を褒めるのは誰でもできますが、小さな日々の仕事に気づき、褒めることは、相手のことをよく見ていなければできません。ANAの社員は相手に対して「誠実な関心」をもつように意識しています。
「あの人が、今日シュレッダーのゴミを捨てていた」
「今日の髪型、清潔感があって素敵」
「君が先月出した商品、コツコツ売れてるね」
など、ささいなことをとにかく拾うのです。
褒めることは、単なる「善意」ではありません。訓練された「技術」として定着させることが重要なのです。
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