転入組にあえて聞く、「本当は福岡が嫌い?」 「福岡ブラックホール説」には盲点があった
――結局、集まったのは、九州人ばかり。どう思いますか。
この問いに、参加者たちは、矢継ぎ早に答えた。
「東京の人は(座談会を開いた)金曜日には、家族がいる東京に戻る人が少なくない」「東京の人はノリがよくない。その場のノリで飲みに行こうともなりにくいし」「温かい感じがするな、と思ったら、たいてい九州人。東京の人は冷たい感じ」「平日も遅くまで飲んでいる光景に、遊びに来た東京の友達がびっくりしていた。家賃が高くて遠くに住んでいるため、飲んでもすぐに帰る。結果、付き合いが良くない印象がある」
街を訪れた人に“強要”することはなかったか
そして、1人の参加者が打ち明けた。複数の東京出身の知り合いに「こんな座談会があるけど行かない?」と参加を呼び掛けたが、全員断られたという。「メンバーには福岡や九州の出身者がいる」と告げた時だ。
「いろいろ言っていたら、突っ込まれるんじゃないか」「価値観を押しつけられるのでは」「論破されそう」と不安が。どうやら、「おじけづいて」(参加者)、出席を見送ったようだった。
転勤者を魅了する街、福岡。しかし、同時に、地元愛からなのか、市外の人が「ノー」と言いづらい土壌を、無意識につくりだしてはいないだろうか。たとえば、ラーメン。「豚骨に限るやろ」。街を訪れた人に、そう“強要”することはなかっただろうか。「僕は醤油が」という声を、否定することはなかっただろうか。
愛は惜しみなく与えるもので、押し付けるものではない。そんな教訓じみたことを感じさせつつ、座談会は閉会した。
(記者:吉武和彦)
qBiz 西日本新聞経済電子版の関連記事
元組員の就労支援、8割の企業が「雇用したくない」 北九州市
世界一高い「コメ」ギネス認定 茶わん一杯で450円!
中小企業の社長が会社を売りたいワケ 2位は「先行き不安」
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら