グリーとDeNA、実らない海外投資 ゲーム開発会社との蜜月にも変調

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グリーもモバゲーの後を追い、バンダイナムコゲームスの「ガンダムマスターズ」を積極的に売り出しており、今下期はモバゲーと類似タイトルを投入する。

現実味を増す「中抜き」論

バンダイナムコゲームスを擁するバンダイナムコホールディングスはソーシャルゲームの年間売上高を前期比3倍の460億円に引き上げており、同社はプラットフォーム運営会社にとって欠かせない存在だ。

しかし、裏を返せばDeNAは「探険ドリランド」などがあるグリーと異なり、バンダイナムコゲームスを除いた自社開発のゲームでヒットが生まれていない。守安功社長も決算説明会の席上で「自社のゲーム開発については、今後の課題だ」とコメントしている。

海外事業もグリーと同様、いまだに芽が出ていない。13年3月期第3四半期(12年10~12月期)の海外仮想通貨の消費は5000万㌦程度だったが、「損益分岐には1億数千万㌦のコイン消費が必要」と守安社長は言う。

一方のグリーは同時期2000万弱㌦のコイン消費にとどまり、「当初発表していた13年6月期第4四半期(13年4~6月期)の黒字化は先になる」(秋山仁コーポレート本部長)という。昨年半ばには「世界を獲る」と両社幹部が息巻いていたが、情勢は明らかに”トーンダウン”をしている。

さらに不安材料となるのがスマートフォンの普及だ。スマホの利用者増加は一見すると、ソーシャルゲームに追い風に見えるが、それはゲームの開発・提供側に限られる。

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