グリーとDeNA、実らない海外投資 ゲーム開発会社との蜜月にも変調

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グリー、DeNAは、基本は集客装置としてのプラットフォームの役割が大きく、開発会社がスマホへの直接配信を始めれば「中抜き」をされかねない。

「わざわざ4割の手数料(携帯キャリアへの手数料1割含む)をグリー、DeNAに払うよりも3割の手数料で済むアップストア、グーグルプレイの方が魅力。特に海外展開を行う上では、グリー、DeNAのプラットフォームに出す意味はない」というスタンスで臨む開発会社も増えてきた。

パズドラの台頭で景色が一変

こうした中抜き論は以前から指摘されては打ち消されてきたが、「パズル&ドラゴンズ」(ガンホー・オンライン・エンターテイメント運営)の台頭が景色を一変させている。

ガンホーが展開する「パズル&ドラゴンズ」

パズル&ドラゴンズはサービス開始から1年足らずで800万人のユーザーを獲得し、ガンホー・オンライン・エンターテイメントの株価もこの1年間で10倍近くに急騰した。配信先はグリー、モバゲーを通さずスマホへの直接配信に限定しており、このような大型タイトルが増えれば、ますます見通しは厳しくなるだろう。

ある開発会社の幹部は、「グリー、DeNAがスマホ時代に生き残る道は、プラットフォームよりも開発会社に徹すること」と指摘するが、国内での成功体験を捨てゲーム開発に特化するのは容易ではない。インターネット企業としての自負もあり、ゲーム一点集中へ踏み切るには相当の覚悟も必要になる。

いち早く業績悪化に転じたグリー。DeNAも同じ道を辿るのか。早ければ、昨年5月のコンプガチャ騒動から1年となる次の決算で答えは出る。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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