グリーとDeNA、実らない海外投資 ゲーム開発会社との蜜月にも変調

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12日、東京都内で会見した田中良和社長は「投入が遅れたタイトルは下期に貢献する。海外事業も着実に進んでおり、やっていることは間違っていない」と強調した。

際立つDeNAとの格差

グリーが業績不振に苦しむ一方、目下好調な業績を上げているのが、ライバルのディー・エヌ・エー(DeNA)だ。

1月10日に新ロゴを発表したDeNAの守安功社長。ゲーム一本足からの脱却を進めている

2月7日に発表した2013年3月期第3四半期(12年4~12月期)決算は、売上高1502億円(前年同期比44%増)、営業利益586億円(同37%増)。通期でもほぼ同様の増収増益幅を確保する計画を発表した(国際会計基準を採用しているため、公表資料の売上高は「売上収益」と表記)。無料通話・メールサービス「comm(コム)」への広告宣伝投資が膨らみ前四半期比の営業利益は若干減少したが、同要因を除けば5四半期連続の増収増益となった。

牽引役はIP(=Intellectual Property。知的財産)タイトルと呼ばれる、開発会社が提供するゲームだ。

DeNAのモバゲー上ではバンダイナムコゲームスが提供(開発はサイゲームス)する「アイドルマスター シンデレラガールズ」や、同社と共同で開発を行う「ワンピースグランドコレクション」、「ガンダムカードコレクション」がいずれも月商10億円を超えると見られ、最も貢献度が大きい。

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