「四季報」銘柄欄の矢印を、予想してしまおう 「会社四季報」発売前から、戦いは始まる

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土地や不動産は容易には手に入れることができません。そこで、不動産投資J‐REITへの注目度が昨年後半から久しぶりに急拡大しています。そして、何よりも株式投資です。デフレが終わるなら、資産運用の中心的な役割はやはり株式投資になります。インフレに勝つには、株式投資が有効だからです。

話を最初に戻しましょう。2月中旬、すなわち四季報次号の発売1カ月前に済んでいるはずの、四季報の織り込みチェックポイントはどこになるのでしょうか。
業績に関するコメント欄について、株価への織り込み度合いに注意すべきです。これは、矢印で瞬時に銘柄をリスト化できます。

さて、ここからが株式投資で勝敗を決める重要なカギです。四季報の本質についてです。今回は1つだけ手短に紹介します。ズバリ、編集部の、編集方針です。

当該の四季報がどのような編集方針に基づいて作成されたかです。いわば、「四季報の骨格」です。

情報は、以下のような過程を経ていることを忘れてはいけません。

情報の収集→情報の分析→情報の活用

投資家にとっては、もちろん、3番目の「情報の活用」が重要です。上手に活用するか否かが成否をわけます。しかし、その前の段階をおろそかにすると情報の本質をキャッチできません。それは、2番目の「情報分析」です。12月中旬の発売なら、書籍である以上、10日前くらいの12月5日頃が最終の、いわば、校正日ではないでしょうか。ここに重要なヒントがあります。

つまり、編集部は、その時点の株式相場を取り巻く環境を十分に精査し、次号が発売されるときの経済環境であるマクロ(全体像)を見通したうえで、個別銘柄というミクロ領域に入るはずです。

一言でいえば、それは外国為替の想定レートに集約されます。特にこれは輸出型企業にとってはきわめて重要です。四季報がどの程度のレートで編集したか、いわば、業績予想をおこなったかです。為替レートは、現在は、米ドルはもちろん、主要通貨において円通貨の独歩安で、その時期からみれば、一変しています。

この為替レートが、矢印をもとに選別した銘柄ごとに、どれだけ織りこまれているかが分析の要です。未消化であれば、打診買いや本格買いの検討、あるいは、完全織り込み済みなら、むしろ高値警戒をすべきでしょう。

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