数字のウラに隠されているものを読む力が問われる
矢印は業績予想の変化率を表します。株価を決定するのは、主に需要と供給です。株券を買いたい投資家と売りたい投資家の綱引きです。綱引きですから、総合的に力のあるほうに価格は動きます。株価の上昇ならば、買いたい投資家が増えること、極端にいえば、いくらでもいいから買いたいと殺到する投資家が急増すれば、当然ですが、株価は急騰します。これが需要と供給の関係で、「需給」と省略しています。
また、信用取引では、その倍率を表現する際にも「信用需給」あるいは、「取組」などといいますので、株式投資家にとっては「需給」という言葉には特段になじみがあります。
さて、キーワードは、「見ているけれども、見えていない」です。株式投資で常勝を続けるなら、安く買って、高く売るに徹することは周知の鉄則です。けれども、安い時には、さらに下がると思って、買いを見送ってしまいがちです。そして、上昇の兆しが見えたら、注目し、上昇途上でうっかり飛びつき買いをしてしまいます。
スーパーなら、他のお店と比較してより安い商品を買い求めますね。しかし、株式投資では、「安い商品」には、あまり目がいかないようです。また、洋服などのバーゲンなら、普段買えない高額商品の割引セールを狙うはずです。同じ「半額」なら、1000円の商品よりも1万円の商品がお得感があるからです。けれども、最近の消費者の傾向は見送り主義でした。
バーゲンでは、少々の値引きには消費者は心を動かしません。町には至るところで、「30%引き」は当たり前で、「50%引き」や「70%引き」の表記があふれかえっています。ほしい商品でも、まだ安くなるはずだと、様子見を決め込んでいます。だれも買わなければ、さらに割引になるかもしれません。けれども、買われるかもしれませんし、表記した価格がすでに底値なら、お店はそれ以上に下げずに店頭から引っ込めるかもしれません。そうなれば、せっかく目をつけていた欲しかった商品は手に入れることができません。つまり、ここに需要と供給の落とし穴があります。価格は確かに需給で決まります。けれども、環境が変われば、需給は一変します。
12月発売の四季報をどれだけ眺めていても、本質が見えているかが勝敗を分ける分岐点です。では、本質とはなんでしょうか。後半で紹介します。
さて、日経平均株価は、1万1400円を超え、デフレの終焉の足音が聞こえるなか、本格的なインフレ突入が予想されています。そうであるなら、2つの投資対象が効果的な資産運用になることは投資家ならだれもが知っています。その2つとは、土地・不動産と株式です。
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