マニア向け旅行にも安倍バブル波及 ターゲットは団塊「完全定年」
団塊「完全定年」へネット動画や説明会を連打
尖閣諸島問題で日中関係がギクシャクして以降、さすがに好んで中国を訪れる客はユーラシア旅行社でも減っている。その分、欧米やイスラム圏向けツアーが増勢だ。ロンドン五輪終了後のイギリスなどは、旅慣れた顧客層にとっては格好の狙い目となるからだ。
団塊世代が65歳前後を迎えていることはプラス要因だ。団塊世代が60歳定年を迎えた5年前に旅行業界はこぞって取り込みを図ったが、まだ嘱託などの形で週に数日は働く人が多く、長期休暇が必要な本格的な旅行の需要は見事にカラ振りした。それが65歳に差しかかれば、嘱託などの仕事からも引退する「完全定年」層が増えてくる。実際、大手の取扱商品には動意があるようだ。
ただ、モーレツな働きぶりで日本の高度成長を牽引した団塊世代には、海外旅行はおろか、国内旅行もほとんどしたことがないような人が少なくない。旅行といっても、まずは箱根、熱海など行楽地の国内旅行が優先されているという。海外旅行に行くとしても、初体験ならば、やはりメジャーな国・都市を巡る大手旅行会社のツアーが好まれる。
ユーラシア旅行社の場合、何度か旅行の経験を積んで「ありきたりのツアーでは面白くない」と感じた層が潜在顧客となる。利益規模からいっても宣伝広告費などをふんだんにはかけられない分、現地の様子を紹介したり、経験者からの口コミを活用したりするなどして、ファンがじわじわと増えるのを待つしかない。
同社では、ツアーを経験した大学教授や、日本から渡航客の少ない国の大使館などに、独特のネットワークを構築。インターネットによる無料動画配信や都内で月2回程度開催している無料説明会なども駆使して、地道に集客を図っていく方針だ。
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