英語表記や英語のアナウンスが古くからあるのが日本の鉄道の代表である新幹線だ。東海道新幹線開業直後は、New Tokaido Lineやbullet train(直訳すれば「弾丸列車」)という表現がみられたが、いつの間にか「新幹線」は国際語となり、Shinkansenで通用する。
東北新幹線は、Tohoku Shinkansen、北海道新幹線は、Hokkaido Shinkansenであるが、東海道新幹線に乗ると、Tokaidoは付かず、単にShinkansen。新幹線の本家はウチだぞ、という意思表示みたいだが、東海道・山陽新幹線とすると長くなりすぎるから、簡単にShinkansenと言っているようでもある。
東海道新幹線では”Ladies and gentlemen, welcome to Shinkansen!”だが、JR東日本の新幹線では、”Ladies and gentlemen, welcome on board the Tohoku Shinkansen”のように微妙に異なる。一方、近鉄特急では”Thank you for taking the Kintetsu Limited Express.”となり、日本語の直訳調である。なお、列車や電車に「乗る」はtakeであり、useは抽象的に鉄道を利用するという意味で、use the train service のような使い方をする。
特急と急行、区別は日本だけ?
上記の近鉄の放送では、特急をLimited Expressとしている。わが国では、特急のことをこのように表記することが多い。ちなみに、新幹線では、This is the Nozomi Superexpress bound for Shin-Osaka のようにSuperexpress(超特急)としている。「ひかり」もThis is the Hikari Superexpress であるし、JR東日本でもThis is the Hayabusa superexpressと同様である。
日本では特急と急行を異なる種別として認識し、急行(Express)は特急よりランクが低い列車であるが、海外ではそのような区別をしない。従って、Orient Express(オリエント急行)といっても特急よりワンランク下の列車という意味は全くない。スイスのGlacier Expressは「氷河急行」と訳すのが定番であるが、ワンランク下の列車と誤解されるのを恐れてか「氷河特急」と訳す旅行会社のパンフレットを見たことがある。いかにも日本的な対応である。
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