外国人に通じる?列車内や駅の英語表現10選 「山手線内回り」は英語でなんと言えばいい?

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9)鉄道会社の英訳
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JR北海道の特急「スーパー北斗」(筆者撮影)

JR東日本は、East Japan Railway Company、JR西日本は、West Japan Railway Company、ではJR東海はTokai Railway Companyかと思うと、さにあらず。Central Japan Railway Company である。

そういえば、名鉄の中部国際空港駅も英語表記は、Central Japan International Airport Stationとしている。中部とは中部日本のことだからCentral Japanなのだ。JR東海もそれに準じているとも言える。

ところで、この春に誕生したばかりの第3セクター「道南いさりび鉄道」の英語名は、South Hokkaido Railway。Donanとしても意味不明だから南北海道鉄道としたようだ。「いさりび」は訳しづらいから省いてしまったのかもしれない。

英語はもっとシンプルでも通じる

10)親切ではあるがちょっと長い

ここまで見てきたけれど、何となく日本の英語放送はまわりくどく長い表現が多いと思う。例えば、JR北海道の特急列車では、こんな案内をしていた。

Passengers holding the Japan Rail Pass or Hokkaido Rail Pass but without seat reservations of this train, please use a car of non-reserved seating. Seats cannot be reserved on board this train. Cars 6 and 7 are for passengers without seat reservation.
(直訳:ジャパンレールパス、または北海道レールパスをお持ちでこの列車の座席指定をしていない方は、自由席車両をご利用ください。車内での座席指定はできません。6号車と7号車が指定をお持ちでない方の車両です)

 

親切ではあるけれど、じっと聞いている人はいるのだろうか?また、Passengers holding the Japan Rail Passは、the Japan Rail Pass holderのほうが簡潔であるし、最後の一文は、Please go to Cars 6 and 7. They have non-reserved seatsの方が分かりやすい。

それに比べて、海外の列車のアナウンスが簡潔なのは、そもそも車内放送をあまりしないこととも関係があるようにも思う。「本日は雨のため傘などの忘れものが大変多くなっております」など、おせっかいとも思える放送は日本独自のものだ。そうした慣習を外国語放送にも取り入れれば回りくどい英語表現となるのであろう。

国内の鉄道に関わる英語表現を見ていくと、直訳や意訳などさまざまで、納得したり疑問に思ったりと、調べていくと奥深いジャンルかもしれない。

野田 隆 日本旅行作家協会理事

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のだ たかし / Takashi Noda

1952年名古屋市生まれ。早稲田大学大学院修了(国際法)。都立高校に勤務のかたわら、ヨーロッパや日本の鉄道旅行を中心とした著作を発表、2010年に退職後は、フリーとして活動。日本旅行作家協会理事。おもな著書に『にっぽん鉄道100景』『テツはこんな旅をしている』『シニア鉄道旅のすすめ』(以上、平凡社新書)、『テツ道のすゝめ』(中日新聞社)、『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』(光文社知恵の森文庫)、『テツに学ぶ楽しい鉄道旅入門』(ポプラ新書)などがある。

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