素人丸出し!ワインの席で実は「余計」な行動 「大人のマナー」は、どれも理にかなっている
あのようにグラスを回すことを「スワーリング」と言います。スワーリングは、まだ開ききっていないワインを強制的に空気に触れさせることで、味の変化を早めるために行うものです。香りをかいで2〜3回クルクルッと 回すと、かっこよくキマります。
「ぐるぐるおじさん」には申し訳ないのですが、それ以降の回転にあまり意味はありません。どうせグラスを口に運ぶごとに ワインは空気と混ざりますから、回しまくる必要はないんです。
また、意外と知られていないのが「回す向き」。回しすぎたときに遠心力で相手にかからないよう、自分に向かって、つまり、右利きの場合は反時計回りに、左利きの場合は時計回りに回すのが正解です。
続いて、選んだワインが運ばれてきたときのテイスティングです。テイスティングには2種類あり、ワインを品評するためにプロが行うテイスティングと、お店でボトルを開けるときに行うテイスティングです。みなさんがやるのは後者で、「ホスト・テイスティング」と呼ばれています。
「余計なコメント」を言っていない?
ホスト・テイスティングの目的は、ワインが傷んでいないか、もっと正確に言うと「ブショネ」と呼ばれるカビ臭さがないかをチェックすることです。ブショネがあったとしても、素人はかぎ分けられないことが多いのですが(ソムリエも、ちょっとくらいのブショネならそのまま出してしまうこともあります)、まあ儀式のようなものですね。
ホスト・テイスティングの起源は、毒味。自分の城に敵対する国の客人を招くような際に、「毒は入っていませんよ」と示す目的で始まったと言われています。
このようなルーツを持つ単なる儀式ですから、注がれたら軽く1回スワーリングして、一口飲んで「はい、これで大丈夫です」と答えればOK。「豊かな果実味ですね」などと言う必要はありませんし、逆に「好みじゃないのでチェンジ」もマナー違反です。万が一「なんだかカビ臭い、ブショネかも?」と気になったら、「……これは、こういう香りのものなんですか?」と控えめに聞いてみましょう。
ホスト・テイスティングは、基本的にはそのワインを注文した人が行います。ソムリエがボトルを開けてひとつのグラスにほんの少しだけ注いで出したら、それはテイスティングの合図。「たったこれだけですか?」なんて聞いてはいけません。
ただ、ソムリエは抜いたコルクの香りから事前にブショネでないことを確認していますから、 場が盛り上がっているときなどはテイスティングしなくてもOKです。店員さんも「だいぶでき上がっているな」と思ったら「テイスティングはなさいますか?」と聞きますし、だいたい「いや、いいです」と返されます。わざわざ「しますか?」と聞くときは「しないと言われるだろうな」と思っているとき、というわけです。
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