貸金債権買いあさる日本振興銀行のナゼ

貸金債権買いあさる日本振興銀行のナゼ

中堅以下の消費者金融の身売りや、廃業に向けた動きが相次いでいる。改正貸金業法により、2010年6月までに「グレーゾーン金利」の廃止と貸出総量規制が導入される。過去に払いすぎたグレーゾーン金利を取り返す過払い金返還請求訴訟も全国各地で頻発。業者の売り値は二束三文ともいわれる。

そんな中、3月21日以降、非上場の消費者金融会社・三和ファイナンス(三和F、東京都新宿区)の一部債務者に対して、日本振興銀行から「債権譲渡のお知らせ」なるハガキが送られ、動揺が広がっている。

気になる三和ファイナンスの行状 問題多い「お知らせ」

三和Fは業界中堅で、すでに大手数社から借りている多重債務者が主な顧客。昨年4月には違法取り立てなどで、金融庁から業務停止処分を受けた。創業オーナーの山田紘一郎氏はその後、社長を退任。新規融資は停止中だ。一方で関係会社は規制の緩い韓国で貸金業を続けている。

弁護士などの間で同社は“問題業者”で知られる。現在、業者の多くは、過払い金の請求があれば返還に応じている。だが、三和Fは判決で支払いを命じられても応じない。対抗して、振込口座やATMを差し押さえると、「口座がカラ」「ATMに2万円しかなかった」といった事例が相次いでいる。三和F自らがサービサーを務める500億円超の証券化案件については投資家への利払いが続いている。当然、債務者からの返済金を確保しているはずだ。そうしたキャッシュフローがあるのに、返還に応じないのだ。

一方の日本振興銀行は現会長の木村剛氏らが発起人となり04年4月開業。役員間の内紛などがあり、株主も変遷。今は、木村氏とその関連会社のほか、GMOインターネットグループとこれを率いる熊谷正寿氏などが大株主に名を連ねる。

専門家らに確認したところ、今回の「お知らせ」には問題点が多い。

まず、形式からしてずさんなのだ。体裁は三和Fと振興銀行の連名だが、送付の主体は譲受人の日本振興銀行。早稲田大学大学院法務研究科の鎌野邦樹教授は「民法467条の規定する債権譲渡の対抗要件は『譲渡人が通知』するか『債務者が承諾する』ことなので、問題の文書は要件を満たしていない」と指摘する。登記事項証明書なども添付されておらず、社印のみで代表者印もない。架空請求ではないかと疑った債務者や弁護士、司法書士もいるほどだ。

また、届いた「お知らせ」には実際の残債額を大幅に超える金額が記載されたものが多く、発送後の4月16日付で「通知書の一部訂正」が送られてくる始末。振興銀行のホームページにも同15日付で、「お詫び」と題する文面が掲載されている。

訂正の有無にかかわらず、記載の残債額の根拠にも不明な点が多い。債務者がもともと三和Fと交わした契約には「期限の利益喪失」条項がある。この場合、一昨年1月13日の最高裁判例により、利息制限法の上限金利(15~20%)を超える利息の「みなし弁済」は認められない。つまり、上限超過部分がグレーゾーン金利だ。利息制限法の金利で計算し直した元利金を上回る部分は過払い金となり、返還請求対象となる。

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