ヤフーの”秘密結社”で学ぶ、課題解決術 あなた、それは”犬の道”ですよ!

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彼が重要だと語る“イシュー”に関しては、「復興デパートメント」を立ち上げたとき、みんなで考えたことが緩やかな軸になっていたと思う。とにかく小さくても何か成功事例を作って、周囲に見せていこうということを、僕らは考えていた。

ヒアリングのため、僕と須永(浩一・現復興支援室長)は、東北、そして都内で復興支援にかかわっているキーパーソンに短期間で、立て続けに会うことになった。最初の人選は自分たちで行ったが、“笑っていいとも”形式で、「次のキーになる人を紹介してください」と次々とその場でお願いしていた。

2人とも、週1回以上の頻度で東北に足を運んだ。日帰りか1泊、移動に片道4時間を費やし、ご飯を食べる時間がないくらい、1日に5~6本のアポをギュウギュウに入れて会っていた。ヒアリングに、ものすごい日数を費やしたことになる。

議事録ですら、つき返される日々

ただ「安宅塾」では、忙しく動き回っていれば許されるわけでない。最初の頃は2人とも、必死でまとめたヒアリングレポートを安宅さんから容赦なく突き返されることが何度もあった。

「見るに堪えない」などと、ハッキリ言ってくれる安宅塾長

「見るに堪えない」

安宅さんは、あえて厳しい言葉を使う。ショックを受けつつも、言われたから直す。さらに言われて、さらに直す。そんな日々がえんえんと続いた。

レポート以前の議事録でさえ、突っ込まれて怒られ、突き返されることもあった。

議事録とは、東北への出張や東京での訪問を問わず、役員クラスに毎日送っていたものだ。対象者の属性とヒアリング理由、対象者が課題だと思っていること、ヒアリング内容とヤフーの復興支援との意味合いなどを整理して、まとめて報告するよう言われていた。

振り返れば、あれは本当に過酷な日々だった。が、こうしたトレーニングによって、いつしか議事録をまとめるより前の段階で、“軸で考えて”整理しなくちゃという意識で、話を聞いてインプットできるようになっていた。会議のやり方も変わった。頭の中の考え方が、軸でがーっと整理されていくのだ。

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