中国人が惚れた「バカ売れコンドーム」の秘密 大阪のジェクスとヨックが挑む「潤い経営」

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セックス商品でゴムと言うと、ついついコンドームと思ってしまいますが、実は隠れた売れ筋商品があります。それが「ラブマット」です。
たかが空気マットなのですが、潤滑油を身体に塗ってこのマットを使うと、すごく気持ちが良いのです。

隠れたヒット商品

ファションホテルでは、これを楽しむためにわざわざ来られる愛好家も多いそうです。ただ、激しく使われるカップルもあり、空気が漏れてしまうため、良い感じでリピート需要があり、隠れたロングセラー商品になっているそうです。全国1500のラブホテルに常時納入しています。

このほか、コンドームや潤滑ゼリーといった商品を、全国のアダルトショップ2000店に卸しています。

お客様の「よく」をサポートしたい

こちらも創業以来黒字経営を続け、全国約50社の仕入れ先、約160社の販売ネットワークを構築。スタッフも11名に増え、年商も5億円となりました。隠れた市場に注目してそこに注力していこうという姿勢が、ジェクスさん、ヨックさん共通の好業績の秘訣です。

もう1つの共通点に思い当たったのは、社名の由来を、村上社長から伺った時でした。

「人が豊かに生きるには、よく寝てよく食べ、よく働きよく遊ぶことが大切です。そしてよく笑うことは、よく努力した人が豊かな人生を歩んでいる証(あかし)です」

この思いから、お客様の「よく」をサポートしたいとして、社名を「ヨック」にしたとのことでした。「仕事で遊んでいます」を標榜される村上社長らしいネーミングです。

そしてこのヨックさんの遊び心やユーモアは、ジェクスさんの社風に相通ずると思いました。取り扱う商品への深い思い入れが、両社共通の明るい企業風土を生み、黒字経営の原動力となっているのです。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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