「やんちゃ坊主に悩む親」に教えたい発想転換 男の子は、育てにくい子ほど良く伸びる!

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【ポジ変テク5】甘えん坊→失敗を恐れない男に育つ

男の子はドキドキする冒険が大好きです。冒険には、好奇心や勇気も必要ですが、いちばん大切なのは実は安心できる港のような場所の存在なんです。安心できる場所のない人は、冒険することもできません。

ママに甘えるのは、ママのことを安心できる港のような存在だと思っているからです。毎日ママのひざの上で英気を養っては、また新しい冒険にでかけるのです。幼いとき、しっかりと甘えさせてもらった子どもは、挑戦を恐れない人になります。

こんなことも言えます。よちよち歩きの子どもがコテンと転び、本人は何が起こったのかわからずに、パニック状態で泣いてしまいました。「転んだら自分で起き上がる」男になってほしいと思う気持ちはわかりますが、それを学ぶためには、その前に、「転んでも大丈夫」ということを学ばなければなりません。

だからいきなり「自分で立ちなさい」と言うのではなく、最初は「大丈夫?」と歩み寄り、そっと手をさしのべてあげてほしいのです。そうすれば、「転んだのは痛かったけど、転んでもボクは大丈夫なんだ」という安心感が育ちます。安心感があるから、また歩き出そうとします。もう少し速く走ってみようかなと思う挑戦心が生まれます。失敗を恐れない子に育つのです。

そしてそのうち、手をさしのべる親に、「大丈夫、自分で立てるから」と言えるようになります。そのときはじめて、親は、さしのべた手を引っ込め、「エライね」とひと言褒めてあげればいいのです。

しつけなんて二の次でいい!

「わんぱく坊主」や「やんちゃ坊主」が叱られすぎてせっかくの才能をつぶされ、叱る親のほうもヘトヘトになってしまうというよくあるパターンは、「しつけ」にばかり気をとられ、もっと大事なことを見落としてしまうから起こる悲劇です。

『育てにくい男の子 ママのせいではありません』(主婦の友社)。画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

社会のルールを知ったり、人に迷惑をかけないように気を使ったりすることも、大人になっていく過程ではもちろん必要なことではありますが、そんなことは些末なことだと思います。社会性なんてものは言語のようなもの。場数さえ踏めば自然に身につきます。「しつけ」なんて、「自立したたくましい一人の男を育てる」という壮大なプロジェクトにおいては、おまけみたいなものなのです。

幸運にも「生きる力」の豊かな「わんぱく坊主」や「やんちゃ坊主」を授かった親は、そんなことに気をとられるよりも、ありのままの子どもの姿を受け入れ、「世界一の子どもに恵まれた」と思い、心からしあわせを感じていればいいのです。

そうしていれば、子どもにも「しあわせ力」が伝染します。そうやって大事にされた子どもは、自信を身につけ、どんどんしあわせを感じやすい体質に育っていくでしょう。子育てにおいて、それ以上のことを望む必要がありますか? 私にはそれ以上のことは、思いつかないのです。

おおたとしまさ 教育ジャーナリスト

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Toshimasa Ota

「子どもが“パパ〜!”っていつでも抱きついてくれる期間なんてほんの数年。今、子どもと一緒にいられなかったら一生後悔する」と株式会社リクルートを脱サラ。育児・教育をテーマに執筆・講演活動を行う。著書は『名門校とは何か?』『ルポ 塾歴社会』など80冊以上。著書一覧はこちら

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