日米政府、地位協定の「軍属」範囲を縮小へ 

沖縄の事件を受けて変更

 7月5日、日米両政府は、在日米軍で働く民間の米国人のうち、日米地位協定の特権を受けられる「軍属」の対象範囲を狭めることで合意した。写真は元米海兵隊員による女性殺害後、米軍基地への抗議デモ。那覇で6月撮影(2016年 ロイター/Tim Kelly)

[東京 5日 ロイター] - 日米両政府は5日、在日米軍で働く民間の米国人のうち、日米地位協定の特権を受けられる「軍属」の対象範囲を狭めることで合意した。沖縄県で女性を殺害し、範囲を見直す発端となったシンザト・ケネフ・フランクリン被告のような民間人は軍属から外れる。

日本側との会談に臨んだケネディ駐日米大使は、「オバマ大統領は犯罪の再発防止に向け、日本政府と積極的に連携することを明確にした。きょうの合意は、米政府のコミットメントをさらに示すものだ」と述べた。

両政府は軍属の対象者として、1)米政府の予算や資金で雇用される者、2)米軍艦艇や航空機に乗る被雇用者、3)米軍に関連した公式の目的で滞在する者、4)米軍の運用に必要な高度な技術や知識を持つアドバイザーやコンサルタント━━の大枠を示した。

今後、日米間でさらに具体化を進める。日本に約7000人いる軍属は、対象者が絞られることになる。公務中に罪を犯した場合に、米側が優先的に裁判権を持つなどの特権がなくなることで、犯罪の抑止効果を高めたい考え。

岸田文雄外相は会談後、記者団に対し、「シンザト被告のような状況に置かれた者は、軍属には当たらない。日米で一致した認識だ」と語った。

日本国内、とりわけ沖縄県からの要望が強い地位協定そのものの改定には至らず、運用の改善にとどまった。岸田外相は「法的拘束力のある政府間文書の作成を目指している」と説明。1952年の旧協定締結以来、在日米軍による犯罪や事故が起きるたびに運用改善で対応してきた従来より前進したことをアピールした。

 

 

(久保信博)

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