三陽商会、「バーバリー頼み」の高すぎた代償 後継「マッキントッシュ」不発で社員2割削減

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「マッキントッシュ ロンドン」はゴム引きコートで有名(撮影:梅谷秀司)

マッキントッシュ社は、2007年に日本のアパレル商社である八木通商が子会社化している。

三陽商会は八木通商との交渉により、日本向けに特化したオリジナルブランド「マッキントッシュ ロンドン」の立ち上げにこぎ着けた。

三陽商会は国内に約350あったバーバリー売り場のうち、約7割を「マッキントッシュ ロンドン」の売り場として確保。2015年7月下旬から9月上旬にかけて店舗を切り替えて販売に臨んだが、初年度は厳しい現実を突き付けられた。

2016年1~5月の「マッキントッシュ ロンドン」の売り上げは当初計画に対して8割程度で推移。ほかの既存ブランドも前年同期間比で4%減となった。

希望退職の特損は数十億円規模か

特に利益の押し下げ要因となったのは、繰り越し商品在庫の評価減で、営業利益で27億円の減益要因となっている。同社は通常、投入から2年経過した在庫を半期ごとに評価減する「2年ルール」を採用してきた。

今回は想定以上に売れ行きが厳しく、2年経っていない在庫も前倒しで評価減の対象とした。そのため、2016年7~12月(下期)に関しては例年より利益が出やすい構造にはなっている。

ただ、肝心の売り上げが厳しいままでは利益確保もおぼつかない。三陽商会が今回発表したのは第2四半期決算の業績見通しで、2016年1~12月期(通期)の業績見通しは、7月下旬の決算発表とともに公表する予定だ。

同社は3年前に実施した希望退職で応募者数270名に対し31億円を特損計上している。今回の募集人員の規模も同程度であることから数十億円程度の特損を計上することが予想される。今期はこれまで株式売却益で35億円の特別利益を実現しており、特損はカバーできるだろう。とはいえ、長すぎたバーバリーとの蜜月が終わり、業績面での苦戦は続きそうだ。

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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