知ると楽になる「クレーマー別6つの対処法」 全員に同じ対応をするのはキケン!
どんなクレームにも言えることですが、特に「筋論クレーム」への対応のミスを防ぐために覚えておいてほしい心構えを7つ挙げてみます。
②1件のクレームの背後に100件のクレームありと心得る
③専門用語を使って相手を言い負かそうとしない
④あいまいな「反論」「説得」「弁解」は感情を逆なでする
⑤「できないこと」と「できること」を明確に
⑥筋論クレーマーの心理を踏まえて動く
⑦会社のルールをふりかざさない
⑧社内で対処法を決めておく
クレームは企業にとっての財産という面がある
もちろん「クレーマー」といっても、理不尽な意見ばかりではありません。特に道義的観点を持つ「筋論クレーマー」からの意見には、正しい指摘も多く含まれています。これは企業の改善点である場合も多いのです。
以前の記事でも解説したとおり、不満があっても黙って背を向ける9割のサイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)を代表して指摘してくれるクレーマーは、むしろありがたい存在です。「クレームは企業にとっての財産」という姿勢を忘れず、指摘を真摯に聴き受け止めましょう。
この「筋論クレーマー」への対処法は、安易な解決に逃げないこと。解決よりも“そこに至るまでの過程”が大事になってきます。たとえば「誠意の提示」として金銭的、物理的補償を求めてくるといった利益の獲得が目的だとわかっても、解決を急いだ安易な妥協をしないようにしてください。
できないことははっきりと断り、会社としての解決策を示しましょう。同時に会社の姿勢を伝えるなど、歩み寄りの交渉力が必要です。「勝手ではございますが、×××ということでお願いできないでしょうか」という依頼型話法を効果的に活用しましょう。
もちろん、一次対応者だけでは解決が難しい場合が多いと思いますので、難クレームに対しては会社全体で取り組むこと、対処法や規定を細かく決めておくことが必要です。
近年では、企業側とクレーム側との間に「ADR(裁判外紛争解決手続)」という第三者機関も誕生しています。
たとえば「商品によって体調を壊した」という場合は病院をすすめて医師の診断書を取ってきてもらい、ADRを介入させるといった方法でトラブルが早く解決することもあるので、こちらも上手に活用しましょう。
そもそもクレームは、すべて100%円満解決を目指さなくても大丈夫。たとえ話が平行線で終わっても、それはそれでひとつの解決の形です。「まあ、きちんと話を聞いてくれたし……」という印象さえ残れば、お客様は渋々であってもある程度納得してくださり、一転、リピーターとなってくださることもあるのです。
ぜひ、今回ご紹介した事例などを元にシミュレーションを重ね、クレームへの対応スキルを高めていただくきっかけとなれば幸いです。
(構成:山岸美夕紀)
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