知事を辞めれば「幕引き」?とんでもない! 解明しなければ、また同じ問題が起きる

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「すでに都議会は閉じられてしまったし、百条委員会設置案も否決された。舛添氏に『議会と約束したことを守れ』と言っても、辞職した以上は難しいかもしれない」。こう述べるのは、東京・生活者ネットワーク(3議席)の事務局。「しかし我々は諦めない。共産党がこれからも追及していくと言っているので、一緒にやっていきたい」。

舛添問題について都議会民進党(旧民主、14議席)と合同調査チームを立ち上げた民進党都議団(旧維新、4議席)の野上ゆきえ幹事長は、「舛添氏が知事を辞職した以上、状況が変わった。仕切り直しをしなければいけない」と主張する。「すでに私人になった舛添氏をどうやって都議会に呼ぶのかなど不明な点があるが、なんらかの方法で説明を求めていきたい。そのためには議会の中で多数を占める自公の合意が必要だ」。

かがやけTOKYO(3議席)の上田令子幹事長も、「自公がやると言えば調査はできる」と述べる。「これは舛添知事の置き土産。これを機に、高額な外遊費の他25000ある事務事業をしっかり調べ、都民益を損なうことがなかったかどうかを明らかにしたい」。

このように舛添問題をこのまま終わらせようとする自民党に対し、野党はみな追及に前向きのようだ。

「これで幕引きなんて、とんでもない」

では自民党と与党を組む都議会公明党(23議席)はどうなのか。公明党は13日の集中審議で、松葉多美子都議が舛添氏に絵画のリストの開示と所蔵状況の視察を求めていた。これについて斉藤泰宏都議は「我々はこの件について会派内ですでに調査チームを立ち上げ済み。引き続き調査していくつもりだ」と説明する。

27日に開催される総会では、舛添問題についても謀る予定だという。「我々はこれで終わりだとは思っていない。9月に開かれる第3回定例会では、総務委員会委員長からも資料を出すように要求する。これで幕引きなんて、とんでもない」。

東京維新の会(1議席)の柳ヶ瀬裕文都議は現在の状況を、舛添氏が金銭疑惑の調査を依頼した「第三者」の弁護士の言葉をもじって「違法ではないが不適切なレベルで終わっている」と批判する。「そもそも私が5月13日に知事に辞職勧告を出した時、誰もこの問題を深刻に考えず、冷たい眼で見ていた。この問題が盛り上がったから追及するというのではなく、舛添問題を機にどう都政を変えていくのかを考えなくてはいけない」。

だがすでに次期都知事候補を巡り、官邸も巻き込んで動き出している。22日からは参院選も始まるため、人々の関心は薄れていくかもしれない。しかしこれらに紛れて、舛添問題を風化させてはいけない。ここできちんと総括しなければ、「政治とカネの問題」はまた起こりうる。東京都議会の自浄力に期待したい。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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