知事を辞めれば「幕引き」?とんでもない! 解明しなければ、また同じ問題が起きる

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13日の集中審議で舛添氏が提出を約束した「ホテル三日月」の明細書の再発行、および政治資金で購入したと見られる絵画のリストや所蔵品の視察など、いまだ行われていないままなのだ。

これらについて代表質問や一般質問、さらには集中審議で舛添氏を追及した都議会はどう思っているのだろうか。舛添氏の知事辞職が確定した21日に、各会派に聞いてみた。

まずは最大会派である東京都議会自民党(127議席中56議席)。13日の集中審議で同会派の鈴木隆道都議は、ホテル三日月の明細書の再発行を求めていた。これについて同会派事務局は以下のように答える。「すでに知事が辞職しているので、道義的責任しか問えない。道義的責任をとるには、お金を返すか辞職するかの手段があるが、究極の責任の取り方は自ら辞めることだ。舛添氏が辞職したので、それ以上追及することは意味がない」。

要するに、知事の辞職により終わらせるということだ。

共産党はこれからも問題を追及

これに対し、これからも追及を止めないと宣言するのは野党最大会派である日本共産党東京都議会議員団(17議席)。同会派の清水ひで子幹事長は「20日の集中審議、そして百条委員会の設置を要求したが、応じられなかった」と議会少数派ゆえの悔しさをにじませた。

「しかし44項目にわたる舛添前知事に関する資料を開示してくれるよう、事務局に毎日伝えている。それを分析して9月の定例会で再度追及したいと思っている。百条委員会の設置要求も、もちろん行うつもりだ」

共産党都議団は21日、安藤立美副知事に対して「舛添知事の公私混同の責任を明確化し、再発を許さないための申し入れ」を提出。「舛添知事の公用車運用の実態解明と責任の明確化」、「公務から逸脱した公用車運用の再発防止のためのルールの検討」、「N響コンサートやプロ野球観戦チケットの送り主の特定」、「特別秘書の勤務と公用車運用の実態解明」、「海外出張が高額となった原因分析と責任の明確化」、「都選管として政治資金規正法にもとづく厳格な運用」の6項目について調査・検討を求めている。

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