ランボルギーニ「ウラカン」はここまでスゴい 580馬力の後輪駆動モデルに乗ってみた
ウラカンLP580-2を操縦して感心するのは、とにかくナチュラルだということだ。サーキットでコーナーを曲がっていく挙動はいたってスムーズ。ステアリングホイールのわずかな動きにともなってノーズが内側を向き、後輪が車体をぐいっと押し出していく。ムリしているところがいっさい感じられない。フィリップアイランドのサーキットでは、楽しくて、運転していると思わず笑顔になるほどだ。
最高出力は8000rpm、540Nmの最大トルクはなんと6500rpmで発生という高回転型の設定ゆえ、エンジン回転をあげていくときの力の伸び感は頭の中が真っ白になるかんじだ。「ターボをもたない自然吸気エンジンのよさを堪能してほしい」。前出の研究開発部門の責任者リカルド・ベッティーニ氏の言葉にあるように、5.2リッターエンジンの性能を味わいつくすような感覚はなんともぜいたくである。
一体感はどのモードでも強くかんじられる
ステアリングホールスポークに設置されたドライビングモードセレクター(「アニマ(魂)」と名づけられている)は通常「ストラーダ」(ストリート)だが、「スポーツ」を選べばよりエンジンのレスポンスはより活き活きとしてくる。「コルサ」(レース)ではドライバーとの一体感がより強くなる。とりわけコルサを選択すと、瞬間的に弾けるような排気音が背後で響きわたる。演出好感も抜群だ。
一体感はどのモードでも強くかんじられる。そこがスーパースポーツとしての出来のよさだ。540Nmの大トルクの75パーセントを1000rpmで発生。加えて微妙なアクセルワークによる速度コントロール性のよさ。車重も1389kgしかないし、ウラカンLP580-2は1924mmも車幅があっても、まったく大きさを感じさせない。すばらしく出来のよいスポーツシューズのようだ。自分の思い通りにクルマは動いてくれるイメージだ。
電子デバイスも、じつは最新のものが組み込まれている。3軸のジャイロセンサーが車両の挙動をつねにモニターし、コンピューターはそれに応じて出力を調整していくのだ。「ストラーダ」モードではそのせいもあり、路面が滑りやすくても、アクセルペダル踏み込みすぎによるパワースライドを起こすことはない。「ショッピングにも使えるスーパースポーツ」というのがウラカンのうれこみのひとつだけれど、実際、信頼できる日常のパートナーなのだ。毎日ウラカンLP580-2に乗っていられたら、楽しい人生が送れるのは間違いない。
(文:小川 フミオ)
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