性のさいはて、老女潮吹きストリップの衝撃 あなたのすぐそばに「さいはて」はある
最初の章で、老女ストリッパーに「潮を吹いてもらう」ところはのっけからすごいのだけれど、もっとすごいのはその後の帰りがけの行動だ。書くともったいないので読んでもらいたいが、ここで私はこの本にすっかり引き込まれてしまった。
続く「淀川アンダーザブリッジ」の章で私が好きなところを紹介してみよう。
付いて行くべきか、行かないべきか
「犬、見せたろかぁ? こっちや」
そう言って、おじさんはホームレスハウスの中に入って行った。
どうしたものかと一瞬躊躇する。付いて行くべきか、行かないべきか。
常識的に考えると明らかに付いて行くべきではないのだけども、それよりも、この部屋の中がどうなっているのか気になる。ここの住民が、どうやって暮らしているのか気になる。”
“おじさんに続いて、ホームレスハウスに入って行った。……そのうち私は、好奇心に殺されると思う。”
この「好奇心に殺される」とわかっていながらも、ついつい深みにはまっていくやるせなさときたら。かわいい犬につられて危ない人についていっちゃいけません! が、ここでまた、ぐぐっと来た。前後するが、こんな一言も。
“この長屋、実は結構開かれているらしく、ホームレスもホームレスでもない人も集まっているようだ。
もっともここの住民が正式にホームレスなのかと言ったら、それは違うのかもしれない。こんな立派なホームがあるのだから。”
と、なんだか考えさせられる言葉がぐいっと心臓に迫ってくる。のほほんと読んでいたら、後ろから袈裟斬りなんである。
淀川といえば、新幹線からも見えるあの川だ。大阪の人にはとても身近な存在だろう。その身近なところに足を運ぶだけでも、こんな景色が見えるなんて。
各章がそんな具合なのだが、珍スポトラベラーとしての面目躍如たるページも目白押しだ。(ここからは、「G」として忌み嫌われるあの黒い虫も出てくるので嫌いな方は要注意です)
「ゴキブリ食べたら人生変わった」の章にはのけぞった。
奇食という険しい道のりを挑む金原さんがたどりついたのは、ウーパールーパーにダイオウグソクムシ、カラス、ヒグマ、アライグマ、ヌートリア、ユムシ、クリオネ……っておーい、最後の方はもう何なのかがよくわからないんですが、奇食に貴賎はなし。
その末に、日本で唯一ゴキブリを食べさせる広島の中華料理店へと足を運んだのだという。そこで、ご本人も意表をつかれたようだが、読者ものけぞる言葉が登場する。
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