伊藤忠があのドールを自社ブランド化 バナナシェア低い中国で攻勢

拡大
縮小

「安心安全な青果物の需要が中国で増えると見ている」と食料カンパニープレジデントでもある青木芳久専務は説明する。中国におけるパイナップルのドールのシェアは48%と1位だが、バナナは12%しかない。

また、「加工食品も地域別の売り上げ構成比でアジアは13%のウエイトしかなく、拡大余地がある」(青木専務)。伊藤忠は主力市場と位置づける中国で現地の有力資本と提携し、販売チャネルを増やす考えだ。ドールブランドの野菜への展開、メーカーと組んだ健康食品の開発も考えている。

来期の利益寄与は80億円

中国の独禁法審査が通常期間で終了すれば、来14年3月期には、EBITDAで2.3億ドル(約180億円)以上。そこから商標権約500億円の定額償却などを控除しても純益で80億円以上の貢献が見込める。

中国などでの施策や、リストラを実施することで、17年3月期には「既存事業のみでEBITDA2.5億ドル(約200億円)、純益100億円、新規事業も含めればEBITDAで3億ドル(約240億円)を目指したい」(青木専務)と、伊藤忠では試算している。

 

筒井 幹雄 東洋経済 記者

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つつい みきお / Mikio Tsutsui

『会社四季報』編集長などを経て、現職は編集委員。

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