「女性ホルモン」の知識は、男性にも不可欠だ 経済活性化のカギはホルモンケアにあった

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男女雇用機会均等法が制定されたのが1985年(翌86年施行)。あれから30年が過ぎ、当時社会人となった女性たちは、大卒なら今年52歳。ちょうど更年期真っただ中の世代である。管理職に就いた女性もいるが、健康上の理由で昇進を断念した、断念を考えたという人が、実は6割強もいたというデータがある。それほど、女性の社会生活を大きく左右する現象ともいえる。

女性ホルモンが影響する体調不良にはさまざまあるが、大きくは「月経前症候群」と「更年期障害」の二つがある。そもそも、男性は月経と更年期を正しく定義できているだろうか。これを機に、ぜひ覚えていただくとよいだろう。

現代女性の月経回数は昔の女性の10倍!?

月経、つまり生理とは、妊娠をするための準備のようなもの。多くは28日周期で回っていくので、生理は約1カ月に1回訪れる。受精卵を作るために卵の成長を促すのがエストロゲンというホルモン。妊娠に備え、子宮内膜を厚くする役割を担っている。エストロゲンが出ている期間は妊娠しやすい時期であり、心が安定した穏やかな状態に。つまり、女性が機嫌のいい時期である。

次に、いよいよ排卵が行われると黄体ホルモンが分泌される。そして、できるかもしれない受精卵のために子宮内膜をふっくらとしたベッドのような状態に準備される。この時期、月経前症候群(PMS)が起きる場合がある。PMSとは、月経前3~10日の間続く、精神的、身体的不調の症状で、月経がくると自然に減退、消失する。

そして、受精卵ができなかった場合、せっかくできたふかふかのベッドは不要となり、剥がれ落ちて出血した血液と子宮内膜の一部が体の外に出ていく。このことを月経という。この月経の時期に、子宮や卵巣周辺が痛くなる月経痛(生理痛)や頭痛、胃痛といった症状が出ることがあり、心身ともにブルーに。イライラしたり不機嫌になったりする。これが、毎月繰り返されているわけで、この短期間の体の変化と感情の起伏の大きさが男性諸氏にわかっていただけるだろうか。

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