「締め切りが守れない人」に共通する甘い考え ラストスパートでは帳尻を合わせられない
作業を進めていって根本的な方向転換が必要だったら、この時期に行います。たとえばソフトウエアの開発ならアーキテクチャ(基本設計)の変更などです。何だか全然ダメなものができてしまったらもう一度ゼロからやり直します。健康だけには気をつけながら、全力疾走で仕事と向き合います。そうして、実際に指定の2割の時間がすぎた段階で、仕事がどのくらい完了しているかをできるだけ客観的に判断します。8割方終わっていればスケジュールどおりに進んでいると考えていいでしょう。6割くらいしか終わっていなかったらかなりの危機感を持つべきです。
その段階で万が一、完成度が6割未満だった場合は、③のとおり、「締め切りまでに完成できない可能性がある」と判断し、上司に状況を説明してスケジュールの見直しをしてもらいましょう。締め切り直前ではなく、締め切りよりもはるか前に、期日に間に合わせられるかどうかを見極めることが大事なのです。
仕事の完成度を高めるために
逆にその時点で8割方完成していれば、上司に「 10 日のスケジュールで大丈夫です」と伝え、残り2割の「完成にまで持っていく仕事」を、残りの8日間をかけてゆったりと行っていきます。余裕があればその期間に、次の仕事の準備を進めたりもできます(その間に、上司に「実は仕事の大部分が終わっていること」は伝えません。なぜなら伝えると次の仕事を振られ元の木阿弥です)。
この段階で大切なのは、「全力で仕事と向き合う」ことではなく、「仕事の完成度を高める」ことであることを強く意識して向き合うのです。8割の時間を使って2割の仕事をこなすわけですから「仕事が終わらないわけがない」という余裕が生まれます。心地いいほど完璧なスラック(心の余裕)の獲得です。
人は誰しも無意識のうちに不安を抱えながら仕事をしています。締め切りに間に合うかどうかを恐れているからです。ですから、取り掛かる時期が早ければ早いほど不安は小さくなります。取り掛かりを前倒しし、華麗なロケットスタートを切れば、仕事のほとんどが期限の2割程度の時間で終わります。その瞬間を体験したとき、あなたの目から見えている景色は180度変わっていることでしょう。
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