「再稼働は皆さんが思うほど簡単じゃない」 原子力規制委・田中委員長に聞く

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今調査対象となっている6か所は、旧原子力安全・保安院時代に専門家が活断層の存在や地震評価で疑問を指摘していた場所であり、疑問のないところまで調査する必要はないと私は思う。

ただ、下北半島全域については12月20日(東通原発の評価会合)の議論でも出ていたし、私も調べる必要があると思っている。今回の東通に加え、大間や中間貯蔵施設や六ヶ所もあるし、それぞれに調べたデータや海側の大陸棚外縁断層、津軽海峡の断層の問題も含めて調べる必要性はあると思っている。

――その他にも島根や柏崎刈羽、浜岡なども懸念が強い。

島根は敷地内の断層ではないが、今、島崎委員会(規制委委員長代理の島崎邦彦氏がトップを務める小委員会)で耐震の指針や手引の見直しを行っており、敷地外の活断層についてどういう評価をすべきかが出てくると思う。それによって基準地震動が今まで採用されてきたものでいいのか、これは全原発を対象に行う。15キロメートルと10キロメートルの断層があって、これをつなげて25キロメートルとして考えたほうがいいといったようなケースも出てくるかもしれない。そのうえで影響と耐震性を評価することになる。それは指針が変わることによるバックフィット(適合化)としてやることになる。

柏崎刈羽については、浜岡もそうだが、敷地内の深い地層に柔らかい地層があると、地震動が大きくなるとわかってきたので、今後は指針で見直しが必要となるだろう。

40年経過した原子炉の新安全基準合致は困難

――安全規制の厳格化という意味では、来年7月に法制化する新たな安全基準において40年運転制限原則はどこまで徹底するのか。法律では最大20年の延長を1回に限り例外として認めており、運用次第で原則が形骸化する懸念がある。

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