目撃者が語るフロリダ乱射事件の凄惨な現場 あっという間に「床は人だらけになった」

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このときすでに警察は、クラブの外に大挙し、マティーンとの通信を確立していたが、何を話したのかは明らかにされていない。SWAT(特殊火器戦術部隊)チームの重武装メンバーが建物の周辺に配置され、また、救急医療関係者がわずか1ブロック先の病院へと負傷者を急送していた。

最終的に、午前5時ごろ警察が行動を起こした。

死体を運び出すのに数時間

ベアキャットとして知られる装甲兵員輸送車で、隔離された部屋の壁から突入した。「そのとき銃撃犯はドアを開け、外に向かって銃撃を始めた」とダイアーは語る。警察官1人が頭を撃たれたが、銃弾はヘルメットに当たり、重傷には至らなかった。その後、10人以上の警察官がマティーンを銃撃し、彼は射殺された。

マティーンの遺体のわきにはバッテリーパックがあり、警察は彼が爆破装置を着用している可能性を懸念した。そこで、まずロボットで現場を調べた。

被害の実態を調べるのにさらにそこから1時間かかった。クラブの奥深くへと進むにつれて、犠牲者数が増えていったのだ。心配した多くの友人や身内がクラブに駆けつけていたが、すべての遺体を現場から運び出すのには数時間かかった。

クラブの支配人、ブライアン・リーガンは銃撃の際、現場にいた。悪夢のど真ん中にほうり込まれることが、どれだけ圧倒的な事態であるかを伝えようとしてフェイスブックを開いた。「私は怖くて、不安で、そしてあの建物内にいた一人一人のことを心配している。祈ってほしい。これが現実であるわけがないと」。

(執筆: Marc Santos記者)

(C) 2016 The New York Times News Services

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