「10年ぶりの恋人」と結婚するまでのリアル 知的な正統派美人が、瀬戸際の決断

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佐和さんが実践したもう1つの改善は、「デートを繰り返すだけではなく、そのうちの誰かと実際にお付き合いをすること」である。デートをした20人の中から候補者は3人に絞られた。そのうちの1人が現在の夫である伸二さん(仮名)である。年齢は佐和さんの1歳年上。身長はちょうど165センチ。結婚後に聞いたところ、自分より身長が高くない女性であることが条件の1つだったという。男性のコンプレックスは様々なのだ。

「正直に言えば、夫は第3志望の男性でした(笑)。優しげで穏やかな人だなとは思いましたが、会話のテンポがゆっくりなんです。私が何か話しても反応が薄くて『話、聞いてないの?』と思うこともありました。でも、しばらく経ってから『それってこういうことかな』と返して来たりします。私よりもペースがのんびりしているだけなのだから、少し待てばいいのだと学習しました」

ついに男性のペースに納得がいく

伸二さんは恋愛のペースものんびりしていた。4回目のデートをしても「お付き合いしましょう」の一言がなかったので、佐和さんは既婚の女友達と協議の末に自分から聞くことにした。LINEでのやりとりの中に「そういえば、私のことどう思っている?」の一言を入れたのだ。伸二さんの返事は「次に会ったときに告白しようと思っていた」であった。めでたし、めでたし。

マイペースな伸二さんだが、花束を渡してくれるというロマンティックな気遣いもできる男性だ。翌年にはオリジナルのホームページを使った素敵なプロポーズをしてくれた。会話上手ではなくても女性を喜ばせることができる男性はいるのだ。なお、伸二さんのほうは佐和さんの美貌とほどよい身長に加えて、鋭角なツッコミができる会話能力を気に入ったらしい。

「結婚生活には満足しています。『結婚しなければよかった』と思うことは今のところ一つもありません。一人暮らしは10年で飽きていました。食事を一緒にとれる男性が力仕事は引き受けてくれて、私のことを大切に考えてくれる。すごくいいですね。つい甘やかしてしまい、彼の家事分担比率は5%(笑)。でも、誰かの面倒を見るのも楽しいです」

新婚生活真っ只中の2人なのだ。相手への感謝の気持ちを抱けるのは、晩婚さんであることも大きく影響している。

「新婚旅行から帰って来たら、一刻も早く子どもを産む努力をしなければと思っています。彼と結婚するとき子どもの話もしました。子どもはいらないという男性では困りますから。ただし、年齢が年齢なので『絶対に欲しい』と言われてもミスマッチになりかねません。結婚相談所に入る男性は子どもを作ることを目的としている人も少なくないからです」。

できれば子どもは欲しいし努力もするけれど無理ならば2人で幸せに生きていく。この繊細な方針を共有できる男性は多くはないだろう。伸二さんと巡り合えた幸運を佐和さんは実感している。数えきれないほどの出会いの場に参加し、様々な男性とデートをしたからこそ、佐和さんは謙虚に自分を見つめ直すことができたのかもしれない。
 

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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