「財政の下り坂」は2013年の大きな圧迫要因

景気・経済観測(米国)

クリスマス商戦も堅調

また、注目されたクリスマス商戦の出足も堅調な結果となったようだ。全米小売業協会(NRF)によると、感謝祭(11月22日)を含めた週末4日間の小売売上高は、前年比プラス12.8%の591億ドルと2ケタの伸びを記録した。

とりわけ、好調なオンライン売上高が全体のけん引役となった模様である。また、一部の小売店が開店時間を感謝祭当日の夜に前倒ししたことも、売り上げの増加に貢献したようだ。

堅調な消費の背景には、消費者マインドの改善がある。所得こそ伸び悩んでいるが、まがりなりにも雇用は改善している。加えて、株価や住宅価格が底堅く推移していることも、消費者マインドを下支えする要因になっているとみられる。

一方、懸念されるのは企業の景況感だ。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した11月の製造業指数は49.5(10月51.7)と、好不調の目安となる50を3カ月ぶりに下回った。内訳を見ると、雇用動向が弱含んだほか、先行きを占う上で重要な新規受注指数が低下するなど、企業の慎重姿勢が強まっていることを示唆している。

強まる企業の慎重姿勢

企業は設備投資についても慎重だ。ニューヨーク連銀やフィラデルフィア連銀など、各地区連銀が実施している製造業調査は、総じて今年の春先をピークに設備投資マインドが低下傾向をたどっていることを示している。大企業を中心に、企業は多額の現金を保有しており、設備投資を行う能力は十分に持ち合わせているとみられるが、そうした資金は今のところ設備投資に向けられていない。

製造業の慎重姿勢が強まっている一因は、海外需要の減速である。欧州では、ギリシャやスペインなど南欧諸国で債務問題が長期化し、ユーロ圏経済は景気後退が続いている。また新興国でも、中国をはじめとして各国で景気が減速傾向にあり、米企業に対する輸出受注動向を表す指数に未だ改善の兆しはうかがえない。

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