オバマを再選へ導いた、米国リベラルの行方 急進保守に反発し”オバマ連合”が再結集
オバマ大統領は再選を果たした。予想外の圧勝とされているが、本当にそうだったのか。
獲得した選挙人数は332人で、ロムニー候補の206人を圧倒している。だが、得票率は約51%でロムニー候補の48%と大差はない。オバマ大統領は前回、365人の選挙人を獲得して、得票率は53%だった。現職大統領としては苦戦したと言える。
議会選挙でも、民主党は上院で55議席と2議席増やしたが、共和党のフィリバスター(議事妨害)を阻止するのに必要な60議席の絶対多数を確保できなかった。下院でも7~8議席増(未定区がある)にとどまり、2年前の中間選挙で失った60議席の回復はできなかった。選挙前と勢力図は変わっていない。
それでもオバマ大統領を再選に導いたのは、前回の大統領選挙同様に「オバマ連合」だった。オバマ連合とは、ヒスパニック系やアフリカ系、アジア系などの少数派と若者、女性、リベラルなインテリ層のことだ。しかし、この4年間でオバマ大統領に失望した多くの支持者は、オバマ離れをしているとみられていた。事実、今回の大統領選挙でオバマ陣営に前回のような熱狂は感じられなかった。
共和党の右傾化に反発
オバマ連合はなぜ再結集したのか。時事雑誌『マザージョーンズ』(11月7日号)でアダム・サーワー記者は「オバマ大統領が新しいオバマ連合を作ったのではない」と指摘する。
2008年の大統領選挙で大敗した時、共和党の理論的指導者たちは、共和党は限界的な政党にとどまり、長期的な民主党支配の政治が続くという悲観的な見方をしていた。だが、共和党はティーパーティ派の台頭を背景に、中間選挙で予想外の大勝をした。
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