「土間土間」バーガーは"非常識の塊"だった 居酒屋ハンバーガーは3種セットで690円!
そのため、1皿当たりの量を少なくするとともに、単価も平均で500円程度と低めに設定。「いろいろな味を少しずつ食べたい」という女性の心理に訴えるメニュー展開を特徴とする。
また、話題性の高いメニューをその都度取り入れ、新しい食スタイルを提案するのも戦略のひとつだ。昨年夏には、ココナッツオイルやチアシードといった、「スーパーフード」のメニューを提供したという。
「シメ」ではなく「まずハンバーガー」
今回も、さっそくグルメバーガーブームに乗じて、狙いどおりの反響が得られたといったところだ。ただし予想外のこともあった。最後にシメとして食べるのではなく、最初に食べてからから飲む、というスタイルが目立ったという。もっともこれは、シメの頃になるとバーガーが売り切れてしまっていたからだろう。
「あとは特に男性のお客様から“量が足りない。もっとガッツリ食べたい”という声がありました。また、1人が1つのバーガーを召し上がるのでなく、切り分けてシェアするというケースも多かったようです」(山田部長)
そのほかハンバーガーとの相性を考えて考案されたカクテルも、サイドメニューとして用意した。ジンジャーエールやコーラをワインとブレンドしたもので、「ハンバーガーと一緒にグビグビッと飲める」という狙いがあった。
フィリングはしっかりめに味つけしているので、ビールとの相性もよい。そのせいか、カクテルよりはやはり、ビールとともに楽しむ人が多かったという。
「試作の際に社内での評判がよかったのは、実はフォカッチャバーガーです。ローストポークの甘辛い味がビールにとても合います」(山田部長)
それにしても、居酒屋でハンバーガーを提供するには、食材の仕入れから調理といったオペレーション面でさまざまな課題があったのではないだろうか。だが、山田部長によると、「ハンバーガーは工数が多いので最初は苦労しましたが、もうスタッフも慣れてきて、スピードが上がっています」。
工数が多いうえ、ロブスターの爪を丸ごと使っているなど、原価も高い。3つで690円という価格では「儲けがない」というのが本音だそうだ。ただしバルバーガーは、“お客にとっての体験価値を高めること”が目的のメニューだという。
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