――この映画では、女性の進出がテーマとなっていますが、アメリカで女性進出が進んでいないというのが意外でもあったのですが。
まだまだアメリカだって議会の割合は20%くらいだし。人口にしたら50%が女性なわけだから、まだまだ頑張らないといけないよ。
――日本も同じようなものです。いや、むしろもっとひどい状況です。
それは君たちが何とかしろよ(笑)。
問題の根源は「私たち」より「私」という考え方
――ヨーロッパ各国からこれだけの「学ぶべきこと」があるのに、アメリカがそれを実現できない理由とは何なのでしょうか。
やはり、アメリカ人のシステムの根本にあるのが、「私たち」ではなく、「私」というところに問題があるんだと思う。
――それは助け合いや思いやりが足りないという意味ですか。
そうだね。アメリカ人というのは助け合いの精神がなくて、基本的に個人主義なんだ。
――それは最近のことですか? というのも、今回の映画では「オズの魔法使い」のフッテージ映像を織り交ぜるなど、どこか古きよき時代のアメリカへのノスタルジーを感じたのですが。
いや。アメリカにいい時代なんてなかったよ。昔は黒人がバスに乗るにも隔離されていたわけだし、さらに時代をさかのぼれば、ネーティブアメリカンへの大量虐殺を行ってきた国だからね。ドナルド・トランプは「すばらしい時代を取り戻す」と言っているけど、すばらしい時代がいつあったんだと言いたいよ。
――となると、やはりムーアさんが大統領選に出るしかないですね。
自分はまだ殺されたくないんで、やめとくよ(笑)。
――ムーアさんはアメリカの諸問題を過激に追及してきましたけど、もちろん根っこにあるのは、アメリカへの愛ですよね。
その通り。アメリカは大好きさ。ただ国粋主義的に大好きってわけじゃなくて、やっぱり故郷だからね。まさに自分は、これからもこの土地で生活していかなきゃいけないわけだからね。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら