主演ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、監督ジョディ・フォスターという超豪華スターが競演するリアルタイム・サスペンス大作『マネーモンスター』が6月10日より全国で公開されている。全米で高視聴率を誇る財テクバラエティー番組「マネーモンスター」をジャックした犯人は、株の情報操作が意図的に行われ、全財産を失ったとTVを通じて視聴者に訴えかける。その原因は、数日前の放送で、司会者リー・ゲイツ(ジョージ・クルーニー)が発した情報だった。史上空前の犯罪事件の生放送。そこで暴かれる真実とは――。
メガホンをとったのは、『リトルマン・テイト』(1991)、『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』(1995)、『それでも、愛してる』(2011)に続く4本目の監督作となる名女優ジョディ・フォスター。金融取引の闇や、格差社会、ジャーナリズム精神といった骨太な社会派問題にも果敢に取り組み、息つく間もないエンターテインメント性と、心揺さぶられるストーリーを見事に融合させている。そんな映画監督ジョディ・フォスターに本作への思い、そして彼女の目から見た現代の経済事情について聞いた。
アルゴリズム取引は危険だと思う
――監督最新作『マネーモンスター』が金融や株をモチーフにしている作品ということで、ジョディ・フォスター監督の目から見た「経済」についてお話をお聞きしたいと思っています。
オーケー。ただ、わたしは経済のエキスパートではなく、単なる映画の作り手なので、それほど多くのことは話せないけどね(笑)。わたしが映画作りで興味を引かれるのは、映画のキャラクター。今回の映画で描きたかったのは、キャラクターたちの葛藤や、人間同士の力学がどう変化するのかということ。だから金融や株といった要素は背景に過ぎないの。
でも、確かにウォールストリートを含めた金融の世界では、情報番組にエンターテインメントの要素が融合したような番組が増えている。そういったものと、コンピュータによるハイスピードなアルゴリズム取引がリンクしてしまうと非常に危険なのではと考えた。今回の作品はそうしたことを描いた物語でもあります。
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