TOB完勝ならPGMは営業利益2.4倍 小が大のむ買収の舞台裏
数字の面で比較する限り、アコーディアのほうが3大都市圏に立地するコースが多いことに加え、「休日はいつも混雑している」と一部で揶揄されるほど稼働率を高めていることが奏功し、来場者数が順調に推移。また、プレー代はなかなか下げ止まらないものの、コンペ後の宴会需要など向けに飲食代を拡大させていることも、アコーディアの顧客単価の底入れにつながっているようだ。
一方、PGMは3大都市圏に立地するコースが比較的少ない。アコーディアがTOBに対抗するために12月3日に発表した資料によると、保有コース数ではアコーディアが134コース、PGMが124コースとほぼ互角ながら、3大都市圏に保有するコース数の比率ではアコーディアの69.2%に対し、PGMは57.4%にとどまる。来場者数や顧客単価の面でPGMがアコーディアの後塵を拝しているように見える理由の1つはそこにある。
この結果、アコーディアの13年3月期見通しとPGMの12年12月期見通しとの比較では、売上高ではアコーディアが1.2倍ながら、利益面では営業利益、経常利益、純利益ともアコーディアが1.4倍と、PGMとの差を広げる形になっている。
PGMにとって買収による収益改善効果は大
そうした意味では、アコーディアに対するTOBに成功して同社を連結子会社化した場合、PGMにとっての収益改善効果は大きい。TOB終了は来年1月17日のため、PGMがアコーディアを連結子会社化できるとしても来13年12月期以降となる。
仮に今期(PGMは12年12月期、アコーディアは13年3月期)の会社見通しベースで単純合算すると、売上高は1671億円、営業利益は248億円。今期見通しによる両社単純合算での営業利益率は14.8%となり、PGMのみの今期見通し13.5%を上回るが、アコーディアのみの今期見通し16.0%は下回る。
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