なぜ不動産「最高益」に株価が反応しないのか

マイナス金利の恩恵大も、"環境急変"に警戒

大手町・丸の内エリアのオフィス需要は今のところ旺盛だが・・・(撮影:今井康一)

国内景気の減速や円高で、2016年度は大手企業の中でも減益見通しが相次ぐ中、不動産業界はこの世の春を謳歌している。三井不動産、住友不動産、東急不動産ホールディングスの3社は2015年度に過去最高純益を更新し、今年度も連続増益を見込む。

最大手の三井不動産は、「ららぽーと立川」など大型商業施設10店の新規開業ラッシュが業績をけん引。マンションは、過去に分譲した物件で杭の施工不具合が見つかった影響もあり失速したものの、そのほかは盤石の強さを見せた。

住友不動産は、2015年4月に東京・日本橋で、大型オフィスビルの東京日本橋タワーを開業。成約状況は1フロアを残すのみで、核テナントとして意中の相手であった丸紅も射止めた。今年3月に開業した新宿ガーデンタワーもすでに満床。三井不のビルから引き抜いたNTTデータなどが入居する。

三菱地所はミニバブル期に届かず

一方、いま一つ元気がないのが三菱地所だ。競合他社が軒並み最高益を更新する中で、2007年のミニバブル期の水準に届いていない。

同社は大手門タワー・JXビル、大手町フィナンシャルシティ グランキューブなど、大型ビルの竣工がここ1年強の間に集中。オフィスビルは開業負担が大きく、損益が黒字化するのは通常1年ほど先になるため、短期的には全体業績の足を引っ張る。

建て替えで閉館しているビルが多いこともあり、丸の内地区の同社オフィスビルは空室率が1.37%と逼迫状態。一般に、空室は少ないほうが好ましいが、ここまで少ない状態が継続するようだと、旺盛な拡張ニーズに応えられない、通常の営業活動による伸びしろが少ない、といったマイナス面も意識されてくる。とはいえ、同社も2016年度は増益見通し。特殊要因を除けば、業界を取り巻く環境は今のところ良好だ。

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