シンドラー製エレベーター事故の余波 「安全性」で攻めるフジテック

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10月末に石川県金沢市のホテルで起きたシンドラーエレベータ製のエレベーターによる事故。この事故では、ドアが開いたまま上昇したため、乗り込もうとしてつまずいた清掃作業員が挟まれて死亡した。この事故によって、あらためて注目されているのがエレベーターの安全性だ。

エレベーター業界では、各社とも既設エレベーターの安全向上に向けた取り組みを活発化させている。そのなかで、7月に「安全向上パッケージ」を発売し、更新・メンテナンス事業に一段と力を入れているのがフジテックだ(写真は滋賀県彦根市にある本社工場)。

安全向上パッケージで既設エレを簡単改修

安全向上パッケージは、ドアが開いた状態での走行や地震時のドア開閉などによる事故を防ぐため、既設エレベーターに保護装置を取り付けて簡単に改修できるプラン。従来の工法よりも改修にかかる日数が大幅短縮され、コストも軽減された。国の補助金も適用になる。

フジテックは国内のエレベーター新設市場におけるシェアで、日本企業としては三菱電機、日立製作所、東芝に次いで4位にとどまる。ただ、この中では唯一の専業メーカーであり、停滞する国内の新設市場への危機感は強い。

そこで業容拡大に向けてフジテックが力を入れているのが、国内における更新・メンテ事業、もう1つは中国をはじめとする海外事業だ。

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