中国人が「次は北海道に行きたい」と言う理由

爆買い後の「ココロ」をつかむ発信力の高め方

中国人は現在、世界中を旅している。訪日中国人は全出国者数の約4%(2015年)にしかすぎない。特に20代、30代の若者は教育水準が高く、ネットと英語を使いこなし、旅行先や買い物について、全世界を対象として徹底的に調べる。情報交換を頻繁に行い、行動力もある世代なので、韓国・欧米・オーストラリアでも、楽しい旅ができると聞いたら、そちらに行きたい気持ちになる。先進国で「安価・安心・良品」の買い物ができるのは当然なので、わざわざ日本を選ぶ理由はない。

彼らに来てもらい、買い物をしてもらうには、彼らの「ココロ」をつかむことが重要だ。ではどうしたら、彼らにアプローチししたらいいのか。今回は、その鍵となる「コンテンツ」と「網紅(ワンホン)」を取り挙げたい。

いまだに影響力を与えている2008年の映画

レガシィアウトバックの2007年モデル(日本仕様)。プロダクト・プレイスメントの好例だ

50人以上の訪日中国人にインタビューしてきたが、「次に日本のどこに行きたいですか」と聞くと、ほぼ100%、北海道だ。その理由は、2008年に上映した大ヒット映画「狙った恋の落とし方」(中国名「非誠勿擾」フォン・シャオガン監督。グォ・ヨウ、スー・チー、ビビアン・スー出演)の影響だ。観光地としてだけでなく、北海道のきれいで広々とした大地を走ったSUBARUの「レガシィアウトバック」も、その後大人気に。後者はプロダクト・プレイスメント(映画やドラマに実在する場所や商品を登場させ、視聴者に広告と意識させずに、宣伝する広告手法)の成功例として有名だ。

8年過ぎても映画の影響力はそんなに大きいのか? と疑問に思うかもしれない。インタビューから、映画・ドラマ・アニメ等コンテンツは訪日中国人に対する効果的かつ「有効期間」が長い「タッチポイント」であることがわかった。たとえば、

「十数年前に見た沖縄をロケ地とした映画『OKINAWA Rendez-vous』(中国名「恋戦沖縄」、ゴードン・チャン監督。2000年上映)の主演のレスリー・チャンとフェイ・ウォンが好きで、今度やっと沖縄に来られた」

「『SLAM DUNK(スラムダンク)』は青春時代の友達なのでどうしても鎌倉に行きたかった」

「『5→9~私に恋したお坊さん~』(フジテレビ・ドラマ、2015年10~12月放映)を見て、どうしても山下智久さんがいた寺に行き、石原さとみちゃんが着た服とネックレスを買いたくなって、東京に来た」

などの発言があった。コンテンツでのロケ地、プロダクト・プレイスメントは、「薦められている」感じがなく、「行きたい」「欲しい」という自発的感情を長期間にわたって維持できるようだ。

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