中国人が「次は北海道に行きたい」と言う理由

爆買い後の「ココロ」をつかむ発信力の高め方

コンテンツの輸出を通して、文化的にファンを獲得することは多くの国の戦略的課題となっている。その際、一方的に輸出するだけでは不十分で、対象国の現状や視聴者の価値観に合わせることも重要になっている。

実は現在の中国の若い世代、特に女性に1番人気のコンテンツは、韓国ドラマだ。昨年は「星から来たあなた」、今年は「太陽の末裔」が席巻した。後者はネットでの視聴回数が第3話で1億回、第6話で4.4億回(中国のニュースサイト「今日頭条」より)となり、SNSでも関連情報が飛び交っている。

「完璧な顔をしている二人が、運命の赤い糸で結ばれている。主人公と同じように、30代の私でも、仕事をバリバリやりながら、年下のイケメンに一筋に愛される幸せをエンジョイし、人生を輝かせられるといいなぁ」「私も、主人公のように、きれいになって自信を持って幸せになれるといいなぁ」「主人公の男性は、顔も性格も私のタイプで見るだけで癒されるから、1秒も早く家に戻って観たい」……

現在、結婚適齢期に入ってもまだ結婚していない「売れ残り女(中国語で「剰女」(センニュイ)、差別用語)と呼ばれる女性は、ヒロインに自己を重ねる。高学歴の彼女らは、自分らしく美しく生きたいのと同時に、社会の偏見・伝統意識に直面し、自分の人生がこれからどうなるかを迷っている。彼女たちの主人公への共感が、プロダクト・プレイスメントの効果を高めている。

日本はアニメは強いがドラマがまだ弱い

主人公が使った化粧品、ファッションなどは中国国内のみならず海外の店舗でもほとんど売り切れが続いた。欧米ブランドの電動歯ブラシも日本でさえなかなか買えない人気商品に。この韓流ブームに乗り、韓国化粧品、韓流ファッションの知名度が一層高まった。昨年は中東呼吸器症候群(MERS)の影響で訪韓中国人観光客数が一時的に減少したが、最近は回復している。インタビューした訪日中国人観光客の中にも、「日本の化粧品が好きだが、韓国のパックマスクやメイクアップ化粧品は日本より安く、良さそうなので、買いたい/買った」と発言した女性も少なくない。

日本も、優れたコンテンツを持っている。特にアニメは世界一強い。ドラマについては、定番の推理ドラマのほか、近年人気なのは「イタズラなkiss2 〜Love in TOKYO」(フジテレビ・ドラマ、2014年11月~2015年4月放映。その他、台湾、韓国でリメイク)、「5→9~私に恋したお坊さん~」(前出)、「家族ノカタチ」(TBS・ドラマ、2016年1~3月放映)だ。比較的シンプルに王子様に愛されるラブストーリー、結婚に迷う人間など、夢のある物語、あるいは同じ迷いを持って成長していくリアルな話に、中国の若い世代も共感している。

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