なぜ「ドラえもん」は中国人の心を動かすのか たった1カ月で興行収入が100億円を突破
「戦後70年」が近づいてきた。アジアで最も大切なはずの日中関係は、政治面では「安倍首相談話」や「尖閣諸島」の話になりがち。だが今年上半期の訪日中国人旅行客は217万人(前年同期比約2.2倍)と過去最高を記録した。一方、中国でもユニクロや無印良品などは飛ぶように売れており、中国人や中国マーケットの重要性は増すばかりだ。
そこで、今回から数回に渡って、三菱総合研究所の中国人女性研究員である劉瀟瀟(りゅう しょうしょう)氏に、「日本人が意外に知らない中国人の消費マインド」などについて分析してもらう。第1回は、「なぜ『ドラえもん』は中国人に深く愛されるのか」についてお送りする。
約1カ月で収入100億円超、中国史上最高規模のアニメに
映画『STAND BY ME ドラえもん』の中国大陸での興行収入は、2015年5月28日初演当日2708万元(約5億円)、6月26日(興行終了日)までの累計収入は5.3億元(約106億円)を記録、中国で公開されたアニメ映画の興行収入の最高記録に迫った。
これまでの最高記録は2011年公開の『カンフー・パンダ2』(米国)が6.1億元で、この記録は抜けなかったものの、『STAND BY ME ドラえもん』の日本での興行収入は83.8億円(2014年)で、中国での興行収入が上回っている。
中国国内でのSNSを日本語風に訳すと、「哆啦A梦(ドラえもんの中国名)懐かしかった!! めちゃめちゃ泣いた~」「ドラえもん、のび太、静香は最高!!」「子供の頃大親友だったドラえもん、ありがとう! さようなら」などの感動に溢れた書き込みが、まさに「めちゃめちゃ多かった」のである。
なぜ、『STAND BY ME ドラえもん』は、中国で日本以上の大人気となったのだろうか。
トピックボードAD
有料会員限定記事
政治・経済の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら