グーグルの新チャットアプリは何が凄いのか 人工知能が解析し、返信候補文を自動生成!
グーグルには、Gmailというメールサービスと、これに連携するいくつかのメッセージサービスがあった。「グーグル・トーク」は「グーグル・バズ」を経由し、「グーグル・ハングアウト」と名前を変え、テキスト・音声・ビデオのチャットに対応してきた。あまり有名とはいえないサービスであり、確固たるブランドを確立するには至っていない。
それでも、グーグル・ハングアウトにはいい面もある。企業向けの「グーグル・アップス」から利用でき、企業内に閉じたチャット環境を作る上で重要なツールになっている。たとえば、ウェザーニューズやANAなどは、グーグル・ハングアウトを業務に生かしているという。そのため、アロが登場しても、グーグル・ハングアウトは併存するようだ。
アロのターゲットは、こうしたビジネスユースというよりは、個人に向けたもの。基調講演の場で強調していた3つの新規性は、「多彩な表現方法の実現」、「セキュリティ」そして「グーグルアシスタント内蔵」だ。テキストチャットでの表現には絵文字が用いられ、画像やアニメーションなどを添付する仕組みも取り入れられるようになった。アロでは、これらの文字や画像のサイズを変化させられるようにし、チャットのタイムラインでの表現方法に新たな方法を追加している。
また、セキュリティについては、アップルがiMessageで行っているように、2端末間での暗号化を実現している。加えて、チャットが自動的に消去される仕組みも取り入れており、Snapchatを意識した作りになっている。
目玉は、AIとともに楽しむチャット
アロの最も大きな特徴は、人工知能(AI)による返信の生成と、グーグル・アシスタントを内蔵している点だ。デモの内容を、ご紹介しよう。
まず面白かったのは、友人から犬の写真が送られてきたとき。その写真の内容を自動的に解析し、「カワイイ犬だね」「おお!」「かわいいバーニーズマウンテンドッグだね」(画像の犬種)という返信の候補を挙げてくれた。タップすれば、タイピングなしで返事が返せる。
また、パスタの写真を送ると、やはり解析され、「おいしそう」「おいしそうなアサリ」「おいしそうなリングイネ」という候補が出てくる。写真が何かを理解し、パスタの具や麺の種類までも、返信の候補に挙げてくれるのだ。そして、ディナーに誘われれば、「行こう!」「予定がある」と候補が出てくる。
次に紹介するグーグル・アシスタントをチャット内で活用する具体例は、未来を感じさせてくれるものだ。
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